寒い時期の感染症に要注意! ~サッカー生活との両立を考える~
サカママコラムをご覧のみなさま、こんにちは。元養護教諭で小6サッカー男子の母、AYAです。
あっと言う間に12月突入! 本当に時間が経つのが早くて驚いています。今年は10月になっても暑い日が続くなあと思ったら…突然朝夜に急な寒さで震えるようになり『心地よい秋』が感じられないまま冬になりそうな気配ですね。
さて、今回は感染症について書いていきます。コロナ後に起こっている季節外れの感染症の流行。以前とは違う流行の仕方をしている感染症もあります。これから子どもたちは、現学年での集大成ともなるさまざまな公式戦を控えていたりしませんか?『体調管理も実力のうち』と言いますが、寒い時期を健康で乗り越えられるように、できるだけ分かりやすく傾向と現状をまとめましたので、ご参考にしてください。
今までの常識と、新時代の現状
新型コロナ感染症が流行する前は、感染症には種類によって季節性や年齢にある程度の傾向がありました。ただ、今年の場合は夏に流行りやすい『咽頭結膜熱(プール熱)』や本来ならば寒い時期に流行する『インフルエンザ』が季節に関係なく猛威を振るっており、異例となっています。
引用元:ワクチン.net(https://www.wakuchin.net/index.html)
©Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation.
なぜ例年とは異なった流行の仕方をしているのでしょうか。
それは新型コロナの影響により感染対策が意識的に行われており、新型コロナを予防することで同時に例年流行るべき感染症が長らく抑え込まれていたためだと考えられています。その結果、インフルエンザなど毎年一定の人がかかる病気も予防され、数年間十分な免疫をつけることができませんでした。
また、新型コロナが『5類感染症』に移行して人の流れが盛んになったり、学校行事がだんだんと復活傾向になり、例年通りの規模になったり…さまざまな感染対策が緩和され動きだし、沢山の要素が噛み合わさって起こったことだと推測できます。
つまり人々の免疫機能があまり強くなっていないまま、『細菌やウイルス』に触れた結果、感染症にかかったりたくさんの人にうつっていったりするケースが増えていったということです。
感染症にはつらい症状が多いですし、後遺症や薬の管理・体力の低下などさまざまな影響があるので、「かかるよりできるなら避けたほうがいい」ことは間違いないでしょう。
でも、人間に備わった体を守るための『免疫機能』は生活しているなかで自然に細菌などの侵入・攻撃・防衛を繰り返すことでいざというときに備えられる機能が強化されていきます。
新しい時代になりつつある今…現状と対策を見つめて、(パパやママ・子どもたち自身も一緒に!)サッカーの日々の練習やスキル強化と同じように、体調管理と自分の体づくりについてしっかり考えておきたいですよね。
細菌やウイルスへの対処法と消毒の豆知識
みなさんは『細菌』と『ウイルス』の違いがわかりますか?
どちらも、人間にとって悪影響を与えるものは「体にあまり入ってきてほしくない」ことには変わりありませんね。細菌やウイルスの違いが少し頭に入っていると、「どうしてそう対処するのか」が分かるので少しだけご紹介します!
細菌 | ウイルス | |
サイズ | 大きい | 小さいものが多い(細菌の100~1000分の1) |
増え方 | 大腸菌・ブドウ球菌・結核菌・サルモネラ菌・破傷風菌 など | 一般的に『風邪』といわれる多種多様のもの、インフルエンザ・ノロ・はしか・おたふくかぜ・肝炎・エイズ など |
薬 | 抗生物質(合うものを選ぶ) →直接、細菌細胞の発育・増殖を防ぐ |
抗ウイルス剤や中和抗体薬で数を減らして、機能を失わせる(合うものを選ぶ) 抗生物質は効果なし |
ワクチン | 特定の細菌に合わせてある | 特定のウイルスに合わせてある |
一般的に“ばい菌”などと呼ばれるものは、サイズが大きい方から順に、寄生虫/真菌/細菌/ウイルスと4種類あります。そして、効く薬はそれぞれ異なります。「ウイルスには抗生物質(抗菌剤)が効かない」ので、 病気の原因がウイルスなのに、「ちょうど家に余っていた」「念のために」などと言って抗生物質を飲むと、デメリットのほうがはるかに大きいので注意が必要です。
体に不調を起こしている原因のものに合った強みを持つ薬を選ぶことが大切ですね。
ではどのように体への侵入を防ぐのかというと、やはり『うがい・手洗い・手指の消毒』です。これもまた効くものと効かないものがあるので注意が必要です。
感染性胃腸炎を引き起こすウイルス(ノロウイルス・ロタウイルス など)、プール熱を起こすアデノウイルス など | その他のウイルス(インフルエンザ・コロナ・ヘルペス など) | |
効果あり | 次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤を薄める)、亜塩素酸水、せっけん・ハンドソープによる手洗い | アルコール(エタノール)、亜塩素酸水、せっけん・ハンドソープによる手洗い |
効果なし または弱い |
アルコール(エタノール)、逆性石鹸、アルデヒド など | |
その他 | 丁寧な手洗いで良く流し乾燥させること | 紫外線に弱い、60℃前後で30分処理すると不活化 |
ウイルスは手に付着しても増えて害をもたらすことはありません。ただし手や体についたウイルスを口や鼻から入れてしまい、私たちの細胞がウイルスをコピーして増やしてしまうことで病気を引き起こしてしまいます。
このことから、入念な手洗いやうがい・ウイルスや細菌を体内に入れないような対策がとても大切だとわかります。体内に入ってきてしまっても、十分に戦える免疫機能が備わっていれば身体に大きなダメージを負わずに済むと考えられます。
『体調管理も実力のうち』と言われるように、まとまった睡眠をとる・生活習慣を整える・しっかりと食事を摂る などに加えて、体調管理の一環として時期や場合によってワクチンの接種なども考えながら、子どもたちのベストパフォーマンスへのサポートをしていきたいですね。
健康で厳しい冬を乗り越えられるように
新型コロナの流行によって、日々の生活のなかでできる感染症対策がしっかり浸透しました。マスク・手洗いうがい・手指の消毒・睡眠・毎日の食事 など…特にスポーツをやっている子どもたちは、病気から身体を守る体力を強化でき、より健康な状態をつくっていくことができます。
サッカー少年・少女にとって、体調を万全に保つことは大前提! 疲労のケアを行い回復に努めて、毎日の子どもたちの様子を見守りながら寒い冬を乗り越えていきましょう。学年の集大成の試合に悔いなく挑んでいけるよう、子どもたちが大好きなサッカーに打ち込んでいけるよう願うばかり!
特に息子は小学6年で、ジュニアサッカーを明るく締めくくれるのか?と私が緊張しています(笑)。サカママ&サカパパのみなさん、一緒にサポート頑張りましょうね。
【参考】
●感染症情報 | 厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html)
●感染症がはやる季節|ワクチン.net(https://www.wakuchin.net/disease/season.html)
●理化学研究所生命医学研究センター(IMS)(https://www.ims.riken.jp/poster_virus/virus/bacteria/)