ゴロっときたら気を付けて! スポーツ中や観戦中の落雷から身を守るための対策とは?
みなさんこんにちは! スポーツ看護師の金子会里です。この夏は天候の急変がとても多く、Jリーグでも試合の中止や中断などが相次いでいました。サッカー中の落雷事故は年々増えている印象で、ジュニア年代のスポーツ現場でも十分に起こり得ることです。もしも突然の雷雨に遭ったら、みなさんはどんな行動をとりますか?
屋外の開けたフィールドやスタンドの観客席は、雷が落ちやすい場所の一つ。私も怖い思いをしたことがあるので他人事ではありません。正しい行動と知識を持つことで、自分だけでなく子どもたちの身の安全を守っていきましょう!
外で雷の音が聞こえたら?
①まずは建物の中や、車に避難することが大切です。軒下や木の近くでは危険です。すぐに退避する行動をとりましょう。
②突き出た物に雷は落ちやすいため、傘の使用をひかえ、応援用の旗竿などは上に向けないことも安全策の一つです。身につけている金属類も外すようにしましょう。
③避難する場所がないときは「雷しゃがみ」の姿勢を。足をそろえてつま先立ちでしゃがみ、鼓膜を守るために耳は手でふさぎましょう。
④木は危険! 木の近くにいるときは4m以上離れましょう。
⑤電線は避雷針の代わりになるので、電線の下はリスクが低いと言われています。
雷鳴は危険が近づいているサイン!
雷の音は、イナズマを見てから何秒後に聞こえるかで雷の位置を推測することができます。音は1秒間に340m進むので、ピカッと光ってから5秒後にゴロゴロが聞こえたら、1.7km先に雷が発生していると推測できます。
ただし、大きな雷雲の場合は広く雲がつながっているので、遠くの雲だと思っていたら真上の雷雲だった! ということもあります。スポーツの現場では、気象庁が出している「雷ナウキャスト」のアプリで雷雲の動きを見ていますので、雷レーダーなどを参考にしてみてください。
サッカーの練習中や試合中に雷雨に遭うこともあると思います。「このくらいなら大丈夫だろう」「もう少しで終わるからねばろう」などの心理が働いてしまうと、落雷事故は起きる確率が高まると言われています。ゴロゴロと聞こえてきたらまずは退避する行動を検討し、安全策の共有をしておくことも大切だと感じます。
雷の30-30ルール
スポーツ現場では雷の30-30ルールというものがあります。イナズマなど雷を視認してから30秒以内に音が聞こえた場合は落雷圏内ということで、練習や試合を中断し退避します。また、雷鳴後に30分経っても次の雷鳴が聞こえなければ活動再開の目安になります。日々の練習や試合で判断に迷ったときは、この30-30ルールをぜひ参考にしてみてください。
もしもの落雷、人への影響と応急処置は?
落雷の直撃を受けてしまった人がいた場合、まずは救護する人の周囲の安全を確保してから応急処置を行ってください。雷に打たれた人の体を触っても感電しないと言われています。
➀直撃によるものでは心肺停止になる確率がとても高いため、すぐに救急車を呼び、迅速な救命処置を行う必要があります。現場での心肺蘇生により救命できる可能性もあるので、すぐに心臓マッサージとAEDを使用してください。
②落雷による熱傷では、一般的なやけどの手当てと同じように流水や氷で冷やし、水ぶくれができた場合はつぶさないようにしましょう。
サッカー観戦で大きな会場やスタジアムに行く機会もたくさんあると思いますが、周囲の音が大きくてゴロゴロの雷鳴に気が付かず、避難誘導のアナウンスがあるころにはすでに雷雲は頭の上! なんていうこともあります。天候の変動が予想されるときには、雷雲の動向に注意しながら身を守る行動を早めにとり、安全にサッカーを楽しんでいきましょう!