メインコンテンツに移動
子どもの命を守るために緊急点検!交通事故豆知識とヘルメット着用【Monocular #23】

子どもの命を守るために緊急点検!交通安全豆知識とヘルメット着用【Monocular #23】

サカママのみなさん、いかがお過ごしでしょうか?サカママライターのマツユミです。太陽が沈む時間が随分と早くなってきましたね。練習が始まる頃には薄暗くなっている日が増えてきました。2023年も残り2ヶ月を切りサカママのみなさんも普段にまして時間に追われる機会が多いのではないでしょうか。

普段からもですが、何かと慌ただしい季節は特に注意したいのが交通事故です。実は先日、息子のチームメイトが、練習に向かう途中で交通事故に遭いました。幸い、大きな怪我もなく数日練習をお休みする程度でしたが、練習前に発生した自転車事故だったこともあり、本人はもちろん、保護者、コーチ、チームメイトのみんなはとても心配しました。この事故を受けて、保護者の間では交通安全を徹底することの大切さが確認されました。

そこで、今回のコラムでは、命を守るための交通ルールを親子で再点検するために役立つ豆知識を共有したいと思います。事故が起こってからでは遅いことを肝に銘じ、ぜひお子さんと話し合ってみてください。

近年の交通事故発生件数は?

まずは、子ども(幼児から中学生まで)と交通事故に関する現状を確認しましょう。コロナの影響と推測できる2020年の交通事故発生件数は一旦減少しましたが、その後増加し今年度上半期の発生状況は、890件です(図1)。

 

事故が起きやすい時間帯とは?

さらに気になることは、事故が起きる時間帯です。夕方16時から18時の発生件数は、287件と最も多く、続いて14時から16時の175件、18時から20時の121件となっています(図2)。

 

この時間帯は、学校から帰宅した子どもたちが、自分のペースで動き出す時間と重なります。サッカー練習の前後の時間帯のため、グランドと自宅の間を徒歩や自転車で移動するお子さんも少なくないと思います。サッカーキッズの行動パターンとして、早くグランドに到着しチームメイトとボールを蹴りたい、練習終了後も自主練という名のワチャワチャがエンドレスに続きますね(笑)。

早くボールを蹴りたい!という子どもの気持ちを大切にしつつも、移動中は焦らず安全確認を怠らないことを伝えていきたいですね。また、練習後もチームメイトと遊んで気がついたら、真っ暗ということも…。まだ日があるうちの帰宅を促すことや暗くなってしまった時の帰宅経路の再点検も必要かもしれません。

 
朝から晩までボールを追いかけていたジュニア時代

子どもの事故で多い原因は?

特に、子どもの事故全体のおよそ70%は自転車乗用中に発生しており、その内およそ40%は、急な飛び出しや前方左右の安全確認不足などが主な原因である「出会い頭」の事故です。

また、徒歩中の事故においては、横断歩道での事故(26.7%)、横断中の事故(25.0%)となっていますが、子ども側に違反がないにも関わらず事故に巻き込まれるケースがおよそ70%にもなります(図3)。事故に巻き込まれないためにも、日頃から周囲の車、自転車、オートバイなどに十分注意するように子どもたちと話ができるといいですね。

 

お子さんと一緒に移動経路の再点検

このように、どれだけ気をつけていても事故に巻き込まれることも少なくありません。だからこそ、不慮の事故を想定した再点検を子どもたちと一緒に取り組みたいですね。まずは、グランドと自宅までの移動経路の再点検です。特に横断歩道や交通量の多い道、歩行者・自転車専用道路がない道、ガードレールのない道、また工事現場や駐車場など車が急に飛び出してくると予想できる場所も要注意です。

自転車の点検やヘルメット着用

また、自転車事故が多いことを踏まえ、自転車の点検、ヘルメットの着用、反射光の取り付けなども忘れたくありません。実は、2023年4月1日に改訂された「改正道路交通法」に、自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。自転車を運転するすべての人がヘルメットをかぶることに努めなければなりません。

子どもが自転車を運転する際は、保護者等がヘルメットを被らせるように努めなくてはならないと明記されています。自転車事故で死亡した人のおよそ70%が、頭部に致命傷を負っていることや、ヘルメット未着用の致死率は、ヘルメット着用者のおよそ2.3倍も高くなっています。ヘルメットの着用がどれだけ子どもの命につながっているかは、明白ですね。

 
使用中のヘルメットを確認、しっかりJCF(日本自転車競技連盟)の公認マークがついています。

交通安全ルールを家族で共有する

これを機会に、私自身も子どもと交通安全ルールについて話をしたいと思います。その際に便利な、警察庁・内閣府のHPに楽しく交通安全や自転車の乗り方について学べる資料がありましたので、ここで共有したいと思います。ぜひご自宅でご活用くださいね。


※すべての図は警察庁データをともに筆者が作成した。

交通安全に関する参考資料・サイト

「自転車は安全ルールを守って楽しくのろう」(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/pdf/6_kids.pdf

「子ども自転車安全運転教室クイズ」(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/pdf/9_quiz.pdf

「交通安全体験動画(子ども編)」(内閣府)
https://wwwc.cao.go.jp/lib_004/koutu/202301_taiken-c.html

「子供の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei_jokyo/vta.files/child.pdf

WRITER PROFILE

マツユミ
マツユミ

「みんなちがって、みんないい社会とは?」を日々考える社会科学系研究者。2人のボーイズ(12歳・9歳)を育てるサカママ。兄は、サッカー8年目。一方、弟は兄の影響でサッカーを始めるも、現在はアイスホッケーに夢中。スポーツ医の夫と愛犬の5人家族。