「コーディネーション能力」って知っていますか?
サッカー力アップにつながるコーディネーション能力と言われても??というサカママも多いですよね。
そこでコーディネーション能力について大阪体育大学の三島隆章先生にお話をお聞きしました。
コーディネーション能力=運動神経
三島先生によると、コーディネーション能力とは「自分の身体を巧みに動かす能力」とのこと。
「コーディネーションとは、約40年前に旧東ドイツのスポーツ運動学者が考え出した理論です。日本では調整力ともいわれ、いわゆる運動神経能力のことを差します」。
また、コーディネーション能力は7つの能力に分けられると三島先生。
「リズム能力、バランス能力、変換能力、反応能力、連結能力、定位能力、識別能力に分類され、スポーツを行っている時は、これらの能力が複雑に組み合わさっています」。
例えばドリブルをしている時はリズム能力、バランス能力、連結能力などが、ヘディングの際は変換能力や定位能力などが瞬時に働いています。従ってサッカー力を向上させるには、この7つの能力を総合的に養うことが大切なのです。
コーディネーション能力を養うには年中から12歳までが大切!
また、コーディネーション能力はできるだけ早い時期に養ったほうがいいと、三島先生。
「コーディネーション能力のもととなる神経回路を発達させるには年中から12歳くらいまでが重要になります。そのためサッカーだけでなく、いろいろな動きを身に付けておくといいでしょう」。
とはいえ、何をすれば?
「現在は『サンマがない(遊ぶ空間、時間、仲間がない)』といわれるので、むずかしいかもしれませんが、おにごっこや木登り、高いところからのジャンプなどでもいいので、遊びを通して身につけることが一番です。練習でトレーニングをしているなら続けることも大事。ママとお子さんならいろいろなジャンケン遊びもおすすめです」。
あとだしジャンケンでコーディネーション能力UP!
キッズは、親(または友達)がだしたジャンケンに負けるものを1秒以内に出す。右手、左手3回ずつを繰り返そう。
トレーニングを続けるコツ!
トレーニングは楽しくないと続かないので、家で行うときなどは遊びの要素を取り入れるといいでしょう。例えば、10分間片脚で立ち続けるよりも、片脚でけんけんしながら押し相撲を行ったほうが楽しいですよね。とくにじゃんけんは偶然性が高まって楽しくなるので積極的に取り入れてみてください(三島先生)。
キッズに不足している能力は?コーディネーション能力チェック
下記の項目にチャレンジして、何の能力が足りていないのかを確認してみよう!
できなかった項目が多かった能力は今後の課題になるはず。
check1 リズム能力
- 10m程度スキップをする。
- 両手を前に出し、グー・チョキ・パー、足はグー・パーで10m程度前に進む。
- 地面に10個の丸を縦に均等に書き(フープを置くでもよい)、両脚または片脚で丸の中で2回ステップ、丸の外で1回ステップしながら前に進む。
check2 バランス&連結能力
- 目を閉じて手を腰に当て、片脚で20秒間立つ。右・左ができたらOK。
- ボールをひとつ両手で持ち、ママにボールの上にさらにもう一つのボールをのせてもらう。5秒間落とさなかったOK。
- 腰の高さぐらいの場所から180度ターンして飛び降りる。飛び降りて3秒間動かなければOK。
- 股下からボールを投げ上げてキャッチ。脚を動かさずにその場でキャッチできたらOK。
check3 変換&反応能力
- ママと向かい合って立ち、その場で一回転ジャンプ。ママがグーなら同じ方向、パーなら反対方向に一回転ジャンプする。3回連続成功すればOK。
- 仰向けに寝る。ママにおへその上あたりにボールを落としてもらい、身体をひねって素早くよける。5回連続成功すればOK。
- ママの前に立ち、「せーの」でボールを真上に投げる。この時ママが言った方向(右、左)でママの周りを一周して、ボールをワンバウンドでキャッチする。3回連続でできたらOK。
check4 定位能力
- ママの頭より高くあげてもらったボールを空中でキャッチ。3回連続できればOK。
- 自分より高く上げたボールを1回転してから背中でキャッチ。右、左まわりで2回連続できればOK。
- 両手(または片手)でボールをバウンドさせて、そのボールの下をくぐり抜けてキャッチ。3回連続できればOK。
- 前まわりのあとにママから投げてもらったボールをキャッチ。3回連続できればOK。
イラスト/たるぞー
参考図書:
東根明人、宮下桂治(2004)「もっともっと運動能力がつく魔法の方法」主婦と生活社
東根明人、小田俊一(2008)「子どものつまづきがみるみる解決するコーディネーション運動ー準備運動編ー」明治図書