【サッカーの続け方】大沢光介(京都サンガF.C. U-18 フィジカルコーチ)
サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回はフィジカルコーチとして、データを用いて育成年代の選手のトレーニングやコンディショニングをサポートする大沢光介さんをご紹介します。Jクラブのトップチームや高校サッカーなどさまざまな経験から得た学びや、日々の仕事のやりがいについて伺いました。
大沢光介(おおさわ こうすけ)
1996年11月10日生まれ、青森県出身。両親の影響で、身体的なサポートでサッカー選手を支えるトレーナーに興味を持ち、JAPANサッカーカレッジのサッカートレーナー専攻科(3年制)に入学。Jクラブや高校サッカーを経て、現職の京都サンガF.C.ではフィジカル面から育成年代の選手のトレーニングをサポートしている。
「選手が成長を実感してくれると、自分が教えている意味を感じる」
-サッカーとの関わりを教えてください。
「保育園のときに始めて、小学校、中学校は地元のスクールや部活動でプレーし、高校は盛岡商業高校(岩手県)に進学しました。入学してから周りとの実力の差を痛感し、選手ではない角度からサッカーに関わる道を考えるようになったのですが、両親が鍼灸師をしていて、子どものころからその様子を『鍼を使って人の身体を治すのって面白いな』と思って見ていた気持ちを思い出し、同じように身体という側面からサッカー選手を支える仕事がしたいと思うようにはなりましたね。そういった想いからJAPANサッカーカレッジ(JSC)への進学を決めました」
-在学中はどのような活動をされましたか?
「解剖学や身体の仕組み、働きなど、身体をサポートする仕事をするうえで基礎的なことを座学で学び、実習ではJSCの高等部やアルビレックス新潟のユースなどに帯同させていただきました。2年目からはJSCの姉妹校に夜間のダブルスクールで通い、鍼灸の国家資格取得に向けての勉強もスタートしました。資格の勉強がハードで大変な時期もありましたが、先生方が親身になって進路関係などで動いてくれたり、周りの友人もみんなJクラブに行く子たちばかりだったので、刺激されながら頑張ることができた有意義な時間だったなと思います」
-現職への経緯は?
「卒業を控えた12月ごろ、OBの繋がりからザスパ群馬がトレーナーを探しているという情報を頂き、面談を経て内定を頂きました。その翌年からは松本国際高校(長野県)のトレーナーとして、フィジカルトレーニングから補食の準備・管理など、ボールを使うトレーニング以外の部分を任せていただきました。3年間トレーナーとしての全般的な業務をさせていただき、その後JSCの実習でお世話になった方からの誘いを受ける形で昨年、京都サンガF.C. に来ました。サッカーに携わる仕事は求人が出ることが少なく、人の繋がりから得られる情報が重要になります。Jクラブで働きたいという気持ちがあるのであれば、そういった繋がりを積極的に作っていく姿勢が大事だと思いますね」
-現職の業務内容は?
「現在はU-18でフィジカルコーチをしているのですが、トレーニングではGPSを用いて数値から選手の負荷管理をしたり、選手個人に合わせたトレーニングシートの作成などを行っています。サッカーの技術は関西でもトップレベルですが、身体の使い方に関しては考えていない、教わっていない選手たちが多いんですよね。そういった新しい角度から選手にアプローチしていって、より高いレベルに引き上げてあげられている実感はありますね」
-業務で喜びを感じた瞬間は?
「選手のパフォーマンスアップが目に見えて分かるポジションにいさせてもらっているので、それはやりがいを感じますね。成長を実感した選手が『スプリントの自己ベスト更新しました!』と笑顔で言いに来てくれると、自分が教えていることに意味があるのかなと嬉しい気持ちになりますね」
読者へのアドバイス
夢や目標を周りの人に伝えるようにしよう
「高校生のうちから、自分が思い描いている夢や目標を周りの人に伝えることを意識してください。夢や目標を口に出してそれに向けて行動することで、困ったときや手助けが必要なときに、必ず先生方や両親など、周りにいる人が手を差し伸べてくれると思います」
ある1日のスケジュール
11:00 | 出社/メール確認 |
12:00 | 前日練習データ確認 |
13:00 | トレーニングシート作成 |
16:00 | 練習準備 |
16:30 | 練習 |
18:00 | 筋力トレーニング指導 |
19:00 | 帰宅 |