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【サカママのキニナル】プログラミングを学ぶとサッカーにもプラスになる?

2020年から小学校で必修化されるプログラミング教育。じつはプログラミングを学ぶことで、サッカーをはじめとするスポーツにもプラスになると言われています。そこで今回はサッカージュニアがプログラミングを学ぶとなぜいいのか、その理由を解説!

子どもの頃からプログラミング体験を通して問題解決能力を養っておくことが必要

「プログラミング」と聞くと、コーディング(=プログラムを書く)を学ぶの?と思うサカママも多いのではないでしょうか。でも、実際はそうではなく、プログラミング的思考を身につけるのが目的とされています。プログラミング的思考とは、論理的な思考力、つまり、物事をきちんとした筋道を立てて考える力ということです。そして、このプログラミング的思考は、問題解決能力を養うことにもつながっているのです。

サッカーやタグラグビー、陸上などのスポーツを通して、算数やプログラミング的思考を学ぶワークショップを開催しているSTEAM Sports Laboratory の代表山羽教文さんによると「今後、AI社会になっていくと、AIは過去に蓄積されたデータをもとに、人間の学びをものすごく効率よく手助けしてくれます。ただし、新しい問題や答えのない問題に対しては難しい場合もでてくるでしょう。だからこそ、大切なのは、問題が何かを見つけ出して、それを解決していく力だと思います。プログラミングでは、自分が思い描いていた動きと違ったり、問題にぶつかることもよくあります。その時に、その本質・原因をみつけて対策を考え、何度もトライ&エラーを繰り返しながら解決に結びつけていきます。つまり、プログラミング的思考を身につけることは、問題解決能力にもつながるのです。サッカーなどのスポーツでは、点をとるためにどういった方法が最善であるかという答えがないわけですから、子どもの頃からプログラミング体験などを通して問題解決能力を身につけておくことが必要だと思います」

プログラミング的思考が身につくと分析する力も養われ子どもたちの可能性が広がっていく

また、プログラミングを学ぶことの良さについて「プログラミングは言語化(論理的な言葉)そのものだからです」と東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター助教の田中香津生先生。これまで、子どものスポーツでは“直感”でできる子が、どうしても評価されてしまいがちだったものの「プログラミング的思考が身につくと、例えば試合でなぜ負けたのか、あの場面でどうすればいいのかなどを俯瞰でみたり、イメージするようになり、分析する力もついてきます。そうすると、伸び悩んでいたスポーツの上達を促すことにもつながり、もっとスポーツがおもしろくなると思います」(田中先生)。

近年、スポーツの世界でもアナリストが増えていることから「たとえサッカーで結果がでなくても分析に興味を持てば、データを使ってチームに貢献するなどスポーツの世界でいかすこともできます。プログラミングを学ぶことで、子どもたちの可能性も広がると思います」(山羽さん)

また、プログラミングなどのテクノロジーを活用することで、指導者と子どもたちのギャップを埋めることができるとも。「指導者は経験や知識から、フィールドを立体的に捉えることができると思うのですが、子どもたちは平面で捉えてしまい、コーチが体や言葉で教えてもわからない場合がありますよね。それをテクノロジーやサイエンスなどの力を使えば、パソコンやタブレット端末でわかりやすく可視化できるので、指導者が伝えたいことが子どもたちにも理解しやすくなるのです」(田中先生)。

一見、結びつかないように思えるサッカーとプログラミング。でも、両者とも論理的思考力や問題解決能力が必要となり、これらの力を身につけることでサッカーのパフォーマンスアップ、そして大人へと成長していく中でも役立っていくのではないでしょうか。

STEAM教育にも注目!!

STEAM 教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字をとった、21世紀型の教育システム。これらの分野を活用して課題を解決していくので、論理的思考、想像的・創造的なアプローチの仕方が身につくと言われています。現在、世界各国で導入され、日本でも取り入れられるように。今後サカママでは、STEAM教育なども通してサッカージュニアに役立つイベントも開催予定です。