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【大学サッカー探訪】流通経済大学サッカー部はなぜプロレベルのコンディショニングを続けられのか?

【大学サッカー探訪】流通経済大学サッカー部はなぜプロレベルのコンディショニングを続けられのか?

伝統校が名を連ねる大学サッカーシーンで、20数年で飛躍的な成長を遂げた流通経済大サッカー部。全国屈指の激戦区・関東リーグ1部の常連として君臨するに至った要因とは? 近代的な施設・環境面の充実はもちろん、今回はプロ並みの管理がなされたコンディショニングの実態に迫る。

前号では少数精鋭の明治大学サッカー部のコンディショニングについてレポートしたが、今回紹介する流通経済大サッカー部は269名(※第98回関東大学サッカーリーグ戦プログラムより)の大所帯である。中野雄二監督が1998年に就任してから四半世紀あまり、100人以上ものプロ選手を輩出し、インカレ優勝2回をはじめ、大学サッカーの数々のタイトルを手中に収めてきた。

この大組織の土台となる選手のコンディショニングを統括するのが、同大学スポーツ健康科学部教授の小粥智浩氏だ。2018年からのJFA ナショナルコーチングスタッフの役割を全うし、一昨年から再び 流経大のコンディショニングに注力している。

「トップチーム、セカンドチームはもちろん、1年生全員にGPS機器を取り付けてチェックしています。データは練習当日に学生トレーナーが集計しコーチと選手自身に共有しています」

今年は6人の学生トレーナーが小粥氏の目となり、各カテゴリーに所属する選手をデジタルで数値化することで大集団の管理を可能にしている。週間スケジュールも数値をもとに策定。オフ明けの火曜は、それまで行っていたスプリントを除外し、肉離れを避けるためにスモールフィールドに限定。水曜に縦長のコートでのスプリント練習に集約したことで、ケガの数は明確に減少した。特に連戦や夏場など疲弊しやすい時期は、コーチ、トレーナーが選手の数値を共有、認識しフィジカルにかかるストレスを細かくコントロールしている。近年からアンダーカテゴリーの日本代表が導入している尿検査のキットも採用。尿比重で脱水症状の有無がわかるほかケガの予防にもつながるという。

もちろん、数値の把握はコーチ陣だけでなく選手側も同様だ。選手は日々の体重増減だけでなく尿比重による脱水状況もチェックし、各々が基準となる「1.02」をオーバーしないようにライフスタイルを設計している。新入生全員にもGPSを取り付けたのは「個人の意識を変えること」が主要因。数値を毎日追うことで「今日は走れている」「スピードが上がってきた」と自分自身の体調に向き合い、低学年からの自走を促している。

「導入教育がすごく大事だと思っています。高校から大学では負荷が急激に上がるので、カラダづくりはマストです。やった子は大きくなるしやらない子は変わらない。大学での4年間をいかに過ごすかが重要なんです」

小粥氏は選手たちにコンディショニングの幅広い知識を求める。動画やSNSなどコンテンツ過多の昨今、「こんなメソッドがいい」といった端的な情報に学生たちが飛びついてしまうことを危惧している。そのために味の素(株)の勝ち飯® 講習会など、外部の専門家の協力を借りて正しい情報を啓発している。何を目的に栄養を摂るのか、原理原則を理解することが何より大事だという。

「アミノバイタル®は過去にチームとして商品開発に携わらせていただいたこともあり、長年使用しています。ラインナップも豊富で“何のために摂るか”の意図がわかりやすいのがいいですね」

今年の夏の全国大会「総理大臣杯」の関東予選となる「アミノバイタル® カップ」では、過酷な猛暑の連戦を戦い抜き、全国大会の切符をつかんだ。試合前にアミノバイタル® プロ、ゼリー、試合後にGOLDを選手に用意したが、摂取するかどうかは選手に任せている。普段の練習場の高酸素ルーム、巨大なアイスバスなど、環境面での選択肢は与えるが、強要はしない。何を選んでパフォーマンスを上げていくかは選手の判断であり、責任なのだという。

「ごくごく当たり前のことを高いレベルで続けられるか、ライフスタイルから徹底する必要があります。我々は提供できるものは用意します。本当に自分に必要なものを選べるように、選手には高い意識をもって生活してほしいです」

大学サッカーの今シーズンもいよいよ後半戦。9月は総理大臣杯本戦、年末には集大成のインカレが控えている。プロレベルのコンディショニングを続ける流経大が、今年も大学サッカーのクライマックスを大いに盛り上げる。

流通経済大サッカー部とは?

1965年創部、インカレ優勝2回(2017、2014)、関東1部リーグ23回出場、優勝4回(準優勝1回)。人工芝3面で大学サッカー屈指の練習環境が整う。全寮制で部員数は269名(トップチーム登録50人の割合:高体連68% / ユース32%)。

茨城県龍ケ崎のRKUフットボールフィールドが主な練習場。酸素ルームも完備されている。
茨城県龍ケ崎のRKUフットボールフィールドが主な練習場。酸素ルームも完備されている。

流通経済大学スポーツ健康科学部教授 小粥智浩 氏

小粥智浩

1974年、静岡県浜松市生まれ。1999 年横浜国立大学大学院教育学研究科を修了後、国立スポーツ科学センター(JISS)スポーツ医学研究部専任研究員(アスレティックトレーナー)を経て、2006年より流通経済大学に。スポーツ健康科学部教授を務め、サッカー部のコンディショニングを統括。JFAナショナルコーチングスタッフとして年代別サッカー日本代表を長年にわたりサポートしてきた。

10年以上アミノバイタル®を飲んでいる

平野元稀

平野元稀
(MF/4年/帝京第三出身)

小学生からアミノバイタル® を飲んでいます。10年間変わらず、大学生の今も継続しています。遠征時に味の素の「勝ち飯」講習会でおススメ摂取タイミングを学び、練習前にアミノバイタル® プロ、ゼリー、練習後にGOLDを飲んで、たまに飲み逃すと朝起きたときに後悔するくらいです(笑)。

CONDITIONING ROUTINE

  • 毎日、23時52分に睡眠をとることで毎朝スッキリ起きられている。
  • オフの日も含めて毎日温冷交代浴をする。※サウナは試合の前々日
  • 毎晩の体重計測と尿検査(毎週火曜)で体重、体調管理。

挫けそうになると「夢」を思い出す

清水蒼太郎

清水蒼太郎
(FW/3年/流経大柏出身)

コンディショニングに無知だった高校時代、疲労を溜めることでパフォーマンスが伸びない悪循環でしたが、高3に意識を改めてからパフォーマンスも向上。ルーティン(下記参照)を続けることに挫けそうになると夢を思い出して「今やらないと!」と奮い立たせています。

CONDITIONING ROUTINE

  • 練習後にバナナとプロテインを必ず摂取。
  • 試合のハーフタイムにアミノバイタル®プロとゼリーを飲む。
  • 風呂上りに股関節を中心とした30分のストレッチ。

管理栄養士指導の昼食の自炊

渋谷諒太

渋谷諒太
(MF/3年/流経大柏出身)

朝食と夕食は寮、昼食は自炊しています。栄養バランスを考え、寮の管理栄養士に毎回写真を送って週に2回フィードバックをもらっています。大学入学時は線が細かったのですが、小粥さんにもサポートしてもらい体重、筋力もアップしました。

CONDITIONING ROUTINE

  • 身体的、精神的な安定を保つために試合日早朝に入浴。
  • 試合前にスポーツドリンクと経口補水液を飲み切る。
  • 高3から試合前にアミノバイタル®プロ、大学からゼリーを飲んでいる。

過酷な夏に急速チャージ!
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写真/窪田 亮

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