JICAボランティア(青年海外協力隊)のサッカー隊員が感じた南米ボリビア ユース事情~第12回~
サカママ読者のみなさま、こんにちは! 第12回、最終回となる今回は、ボリビアの町の様子についてお伝えしたいと思います。さらに、日本人選手がボリビアへサッカー留学した話題など、日本とボリビアの繋がりついても…。
町の様子や貧富の差とサッカー
ボリビアは日本にいたら想像がつかないほどに『貧富の差』がとてもある国。富裕層は豪邸に住み、豪華な庭にプール、キレイな車を何台も所有。海外旅行も頻繁に行きます。片や貧しい方々が多く生活する地域では、水もままならい、電気も怪しい状態の家を何件も見てきました。海外旅行はおろか、国内の移動もままならない状況です。
都会と田舎の差も大きく、同じ国、同じ県とは思えないくらいの差があります。そして、同じ町の中でも『貧富の差』をすごく感じる国でした。
市場や教会の近くには、物乞いの方々もたくさんいます。そんな方々へ、何かできる人は小銭をあげたり、パンや食べ物をあげたりして助け合っていました。
田舎にいくとサッカーチームもなく、なかなかサッカーができない、15~18歳くらいの若い人たちもいます。大学でスクレ市内に来るようになってから、やっとチームに所属しサッカーを始めることができたという人も何人もいます。彼らはチームや仲間をとても大切にし、サッカーをする喜びに満ち溢れているようでした!
下記で紹介するボリビアの有名な観光スポット『ウユニ塩湖』も、裕福な家庭の方々は何回も行ったことがあるようでしたが、貧しい方々は「知っているけど、行ったことがない」「交通費や宿泊費が高い」と話していました。(「いつか行ってみたい」とも…)
ボリビア旅行で訪れたい!ウユニ塩湖
ボリビアと言えば、、『ウユニ塩湖』!! ウユニ塩湖は広大な塩の大地、世界最大級の塩湖です。標高は約3700m(富士山と同じくらいの高さ!)で、世界で最も平らな場所と言われています。雨季は鏡張りの絶景が有名で、「天空の鏡」や「奇跡の絶景」と表現されることも。一生に一度は行きたい絶景スポットとして人気の場所です。
通常、日本の観光客がウユニ塩湖へ行く場合は、大都市のラパスやサンタクルスからウユニへ向かうのが一般的。 ですが、私が2年間滞在したスクレからウユニへ向かう場合は… スクレ→タクシーで2時間前後・少し休憩→ポトシ→バスで約5~6時間→ウユニ となりました。(もちろん、スクレ→ウユニ直行のバスもあります。時間は8時間程度) 2年間の滞在の真ん中頃、ちょうど1年が経ったあたりで日本に一時帰国したのですが、その後家族と一緒にボリビアへ向かい、ウユニ塩湖に行きました。その際に、小学生の息子たち(当時1年生と3年生)も一緒だったので、タクシー&バスの行き方を選択したというわけです。
JICAの安全対策の方からもよく言われたのですが、途上国ではバスの事故も日本と比べて格段に多いです。 値段の高いしっかりとしたバス会社の方が安全なため、移動の時にはそういったバス会社を選択します。移動や旅行の際には、JICAボリビア事務局に移動届を出すのですが、利用するバス会社を記して移動の許可・承認を得ることになっていました。
ウユニもいいですが、私が滞在したスクレの観光スポットもあわせてご覧下さい!
ボリビアへ日本人選手がサッカー留学?!
日本へ帰国後、2名の若者がボリビアのプロリーグに挑戦しにきたとの情報をもらいました。留学というよりはプロへの挑戦というかたちで、2019年シーズンはサンタクルス県1部のReal Americaというチームで活動しているようです。
過去にも1~2年間くらいのスパンでボリビアに挑戦しにくる日本人サッカー選手がいたそうで…。私の知る限りでも3人くらい、ボリビア人やボリビア在住の日本人からそういった話を聞きました!過去にはブラジルやアルゼンチンでプロを目指し、その後ウルグアイやパラグアイ、チリやペルーで選手生活を送り、さらにボリビアに来て数年チャレンジされる方もいたそうです。
ちなみに、ボリビアのサッカー事情としましては、ボリビア国内9県の上位チームによるコパ・シモンボリバルという大会がシーズン後に行われるのですが、それが実質プロ2部扱いとなります。その大会の上位2~3チーム(その年によって変動があります)が自動入れ替えで昇格し、翌年プロリーグを戦います!!コパ・シモンボリバル3位チームと1部の下から3番目のチームが入れ替え戦をやる時もありました。(昇格・降格の条件はころころ変わるようでした。サッカー協会の会長が変わると尚更…)
JICA×大学連携によるボランティア活動
私が参加した派遣プログラムとは別で、福岡大学の野球部とサッカー部の学生たちによる約1か月間の短期ボランティア活動もボリビアで行われていました。(年に1回、2015~2019年度の5年間) 人数はその年の予算により変動するようですが、たくさんの大学生が1か月間という短期間ながらボランティア活動を経験するのは、とても意義のあることだと思います。ボリビアの子どもたちやその家族、またチームと交流し、技術協力、指導方法の提供などとても素晴らしい活動をしていました。(私自身の活動にもとても参考になり、勉強にもなりました)
ボリビアと日本の繋がり
日本からみたら地球の裏側、反対側の国ボリビアですが、日系人社会もありました!しかも120年前から続くものです!!!サンファンやオキナワという町がその代表で、他にもいくつかあります。
日本から行くのには飛行機を3回乗り継ぎ、約30時間前後もかかる。時差はマイナス13時間。距離はとてもとても遠いですが、なぜかどこかで繋がっている国、ボリビア。 そのボリビアに2年間派遣された運、縁をこれからも大切にし、いつかどこかで何かを通して、日本とボリビアの、日本人とボリビア人の「架け橋」になる活動ができるよう願いつつ、このコラムを終わりたいと思います。
Gracias! ¡Chao! Hasta pronto.