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「大学でサッカーを続ける」ということ。vol.6

個人、そして地方でも世界への舞台が開く
「デンソーカップチャレンジサッカー」

地域別の選抜7チームと、全日本大学選抜の合計8チームが対戦する地域対抗戦。各地域から選出された選手が集う大学最高レベルの大会であり、Jクラブのスカウトも注目する大会だ。例年インカレ後の2月~3月上旬に開催され、1年生~3年生が対象で、3日間にわたりトーナメント戦で優勝を争う。優秀選手に選ばれたメンバーは海外遠征に赴き、3月中旬に開催される「DENSO CUP SOCCER大学日韓(韓日)定期戦」に挑む。

 チーム成績のみでなく、個人の能力が評価され、地方からでもチャンスを掴めるのが同大会の大きな魅力だ。ロシアW杯に出場した東口順昭は、まさにこの大会で眠れる才能を開花させた選手の一人。2年次の島原大会(2007年)に、東海・北信越選抜の控えGKとして参加。目立った活躍はできなかったが、大会期間中に参加した「GK講習会」において当時、 全日本大学選抜の吉見章監督(現・全日本大学サッカー連盟理事長)の目に留まり、海外キャンプ参加の後、日本代表として韓日定期戦のメンバーに選出。この大会で自信を得た東口は、翌年(新潟経営大学に編入)の宮崎大会で、チームを初の優勝に導き大会MVPに輝いた。まさに同大会のシンデレラストーリーを体現する東口だが、その他にも3年連続で関西選抜に選出された藤春廣輝ほか、同大会を機にプロへの道を開いたJリーガーは枚挙に暇がない。実に夢のある大会といえる。

  • 東口順昭
  • 東口順昭

    (ガンバ大阪/福井工業大学▶︎新潟経営大学出身)

  • 藤春廣輝
  • 藤春廣輝

    (ガンバ大阪/大阪体育大学出身)

トップチームを目指せるサテライトリーグ
「インディペンデンスリーグ(Iリーグ)」

トップチーム以下の選手を対象に公式戦の出場機会を増やすために設立された大会。地域によってレギュレーションは異なるが、通年性のリーグ戦が行われ、上位入賞したチームが、11月下旬に行われるIリーグ全国大会の出場権を獲得する。

地域リーグ以外に都道府県リーグ所属チームも対象となるため、地域リーグ所属チームでなくても、全国の頂点を狙うことができる。トップチームにはない醍醐味といえるだろう。もちろん、同リーグでの活躍が認められ、トップチームに招集されるケースもあり、参加選手のモチベーションも高い。現在、Jリーグで活躍する多くの大卒プレーヤーも、下級生のうちにIリーグで自力を付け、後の成長へとつなげた。無名の選手が、その才能を開花させることができる「大学サッカー」のシステムの根幹を成すリーグといえる。