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「大切なことは目に見えない」〜子どもの本当の成長のために、大人が振り返るべきこと〜【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

サカママ読者の皆さん、こんにちは。大槻です。

6月といえば梅雨の時期ですね…ジメジメした季節がやってきました。個人的には、そんな日が続いていても、たまに晴れて爽やかな風が吹く日があると、ラッキーな気持ちになります。

この時期になると、各年代で全国大会の予選がスタートするところが多いと思います。スマートフォンの普及、そしてSNSの影響によって、大会の結果だけでなく「誰が何に選ばれた」などの情報が簡単に手に入るようになってきました。表面的な情報ばかりがクローズアップされるようになってしまい、物事の本質が置いてきぼりになってしまうなんてこともあるような気がします。

我が子のプレーぶり、大会の結果も気になることが多いかもしれませんが、まずは私たち大人の働き掛けについて振り返ってみませんか?

自分なりの視点でまとめてみました。少し耳が痛いようなことも書いてあるかもしれませんが、自分自身を振り返ってみてください。

私たち大人の振る舞いを考える

私がジュニア年代を担当していた頃、自チームの試合の合間に多くの試合を観る機会がありました。保護者の方の熱心な応援の声に混じって、少し心配になるような声掛けを耳にすることもありました。

「おい、なんで走らないんだよ!」「はい、そこは右にパス!」「なにやってるんだよ!」

まるでゲームをしているかのような声掛け、時には罵声に近い聞くに堪えないものもありました。それは我が子のことだけでなく、同じチームの子どもに対しても。。。

「また〇〇が抜かれたよ…」「〇〇はこれが全くダメだな」

そんな周囲への配慮に欠けている発言も耳にしたことがあります。周囲の人を不快にさせるような発言は、もはや応援とは言えません。

そして、言うことを聞かせるような声掛けは指導とは言えません。それで自分が教えているような感覚になってしまうのでしょうか。

でもそれは大きな間違いです。

大人の振る舞いが子どもたちに与える影響は非常に大きいものです。近くにいる大人の思考や価値観は、そのまま子どもたちの基準となって育っていきます

考えてほしい大切なこと

大人が先回りして準備をしてしまう

何でも大人が準備をしていると、子どもたちは「準備はしてもらえるもの」だと思うようになるでしょう。子どもたちの習慣を育てるという意味では、自分で準備ができるように段階的に教えていく必要があります。準備をする作業は「次のことを考える」作業でもあります。日常の中で次を考える習慣を身につけることは、サッカーにおける集団行動にもつながっていくことではないでしょうか

子どもたちがどこまでできて、どこまでできないのか? その見積りをしっかりと行わなければいけません。子どもは小さな大人ではありません。大人の当たり前は子どもの当たり前ではないので、小さな「できた!」を積み重ねていきましょう。そして失敗に対しても寛容に捉え、経験として積み上げていくことが大切です

親の想いだけで、子どもを頭ごなしに否定する

子どもにも感情がありますし、想いがあります。これを親の想いだけで否定することはできません。これまで数多くの三者面談をしてきましたが、私は必ず子どもに話をさせるようにしています。しかし、中には子どもを遮って話し出す保護者の方もいました。それでも私は子どもに話をしてもらいます。そういった親子関係を見ていると、日常の様子を感じたりします。

実は、子どもの意見よりも大人の意見が前に出てしまうことは少なくありません。環境を整えてあげるのは大人の役割かもしれませんが、それを選択するのは子ども自身であるべきです。まずはしっかりと、子どもたちの意見に耳を傾けることが大切です

「結果」だけで判断し、「取り組む姿勢」を見ない

サッカーでいえば「勝つ」「負ける」、もしくは選抜活動に「選ばれる」「選ばれない」といった結果が注目されがちです。学校生活においては、試験の結果なども同じですね。最初から上手くできることはありませんし、常に良い結果が出るわけでもありません。結果だけに左右されてしまうと、他人と比較して劣等感を感じてしまうこともあるでしょう。それが焦りを生んでしまって、我が子にプレッシャーを与えてしまう…そんなこともあるかもしれません。

結果は過程の先にあるものですし、結果を強く求め過ぎてしまう、または結果が出なかったときに「ダメ!」と判断してしまうのは避けたいところです。結果を引き寄せるために「どんな姿勢で取り組んできたか?」を大切にすることが、子どもたちの成長を促すことにつながると思います。大人はどんな心構えで取り組むべきなのか? そういう姿勢を伝えてあげるべきなのではないでしょうか。「結果が出ない=積み上がっていない」というわけではないのです。

子どもたちの教育には時間がかかります。即効性のある教育などありません。風土や環境を整えて、子どもたちに働き掛ける言葉を考える。わかっていても繰り返し伝え続けることで、少しずつ少しずつ心と身体に沁み込んでいくものです

おわりに

外側だけを見ないこと。表面的なことを取り繕うように整えようとしても、長続きはしませんし、本質的な成長にはつながりません。

私はサン=テグジュペリ『星の王子さま』に登場する「大切なことは目に見えない」という言葉が好きなんですが、サッカーを志す子どもたちにとっても、共通するような気がします。

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