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ラストシーズンは新たな環境でのチャレンジ!~日系チームからローカルチームへの移籍~

この原稿を書いているのは7月初め、ワールドカップ決勝トーナメント2回戦を終えて、そろそろ佳境に差し掛かろうというところ。イングランドが順当に勝ち上がっていることもあり、こちらロンドンでも、連日大盛り上がりです!

オフシーズンはチーム移籍の時期

ワールドカップで盛り上がっている今、イングランドサッカーはオフシーズンです。プレミアリーグをはじめとしたプロリーグと同じように、子どもたちのリーグもお休みで、オフシーズン中はワンデートーナメントやフレンドリーマッチなどが多く行われます。

またこの時期は、選手が来シーズンの所属チームを考える時期でもあります。リーグ戦が始まるのは9月後半頃で、新シーズンに向けてチームが始動するのは8月頃。

ですので、多くのチームが新体制に向けた戦力強化のために、5~7月頃にトライアルを実施しています。新しいチームでプレーしたいと考えている選手たちは、入団を希望するチームのトライアルを受けに行きます。トライアルのやり方には、通常の練習に参加させるものもあれば、入団希望者を集めて一斉に実力を見るものもあり、チームによってスタイルは異なります。

「他のチームで挑戦したい」息子の決意

筆者の息子は、6歳で渡英し、それからサッカーを始めました。初めて入ったチームはロンドンにある日系チームのフットボールサムライアカデミー(以下、サムライ)です。駐在員のお子さんが中心ということもあり、選手の入れ替わりが激しいチームですが、息子はサムライ一筋で5年間プレーしてきました。

今年の初め、サムライ入会当初からずっと一緒にプレーしてきた、息子の相棒ともいえるチームメイトが他のチームに移籍しました。息子も、その頃から「自分もほかのチームで挑戦してみたい」という気持ちはあったのだと思います。けれど、今年の春(2026年3月)には日本へ本帰国する可能性が高かったこともあり、息子はそのままチームに残りました。

しかし、本帰国の時期が延期となり、来シーズンもロンドンに残ることになりました。それが決まってから、息子は「来シーズンもこっちにいるなら、違うチームに行ってみたい」と口にするようになりました。ただ「行きたい」と言うだけでなく、自らトライアルを受けに行けそうなチームをネットで探してくる姿勢も見せるなど、息子の本気で挑戦したい気持ちが表れていました。

トライアルのスタイルもさまざま

まずは各チームのホームページからトライアルの申込みをするのですが、チームによっては、
「うちはある一定レベル以上の選手しかトライアルを受け入れていません。プレーの様子がわかるビデオがあれば送ってください」
というチームもありました。

試合全体を通してチームの撮影をしているものはあっても、息子だけのプレーがわかるようなビデオはなかったので、急遽、夫に頼んで息子のプロモーション動画を作ってもらいました。その甲斐あってか、ビデオを送ったあと、「トライアルを受けに来てもらって構いません」という連絡をもらいました。

最初に参加したトライアルは、ビデオを送ったチームで、通常練習に参加させてもらう形式でした。いつも慣れ親しんだチームとは異なる雰囲気に緊張した様子でしたが、いざ練習が始まり、ボールを蹴り始めると、少し硬さはあるものの、問題なくメニューをこなしているようには見えました。

トライアル参加翌日、チームのコーチから「もう少し様子を見たいので、次の練習にも参加してください」とメールがありました。第一関門は突破したようです。

次に受けたトライアルは、チームの通常練習に参加するスタイルではなく、新規加入希望者を一斉に集めて選手の実力を見るスタイルでした。U6からU17まで、すべてのカテゴリーを同時に実施していたこともあり、かなりたくさんの参加者がいました。

筆者は仕事があったため、最後の30分ほどしかトライアルの様子を見ることができませんでしたが、ずっと見ていた夫によると、各カテゴリーに分かれたあと、軽いウォームアップをした以外は、2チームに分かれてひたすらマッチをしていたそうです。そのスタンスから、とにかく「実戦でいかにプレーできるか」を見ていることが伺えました。

その日の夕方、合格通知がメールで送られてきました。そこには「入会希望者は3日以内に申込むこと」とありました。1つ前に受けたチームで「次の練習にも参加してください」と言われていたのですが、その練習参加を待っていては、入会申込み期限を過ぎてしまいます。

息子にどうしたいか聞いてみると、「今日、トライアルを受けたチームに行ってみたい」との答えが返ってきました。息子が自分で移籍したいと言い出したことでしたし、息子の気持ちを尊重することが一番だろうと思い、結局、2つ目にトライアルを受けたチームに加入することに決めました。

新しいチームで見えた息子の課題

オンラインでの入会手続きを済ませ、いざ練習参加初日を迎えました。練習場所につくと、すでにたくさんの選手がおり、息子もその中へと入っていきました。今までのチームの中では背が高いほうでしたが、新しいチームには息子よりも大きな子がたくさんいました。

また、どの選手もかなりガツガツとボールを奪いに来るし、どんどん自分で前に持っていこうとする意識の強い子ばかり。この中でいかに自分の良さを出していけるのかが、これからの息子の成長のカギになるのだろうと感じました。

2回目の練習でのミニマッチの際、息子がボールを後ろに下げたタイミングで、コーチからストップがかかり「なんで今、ボールを下げたんだ? 勝つために必要なのは点を取ることだろう? だったら今の場面では下げるべきじゃないだろう」と声をかけられていました。

リスクを冒して前に運ぶよりも、安全に後ろに下げることは、息子にはよくあるプレーではありました。練習後に、「後ろに下げがちなのは良くないって言われた?」と息子に尋ねると、「後ろに下げることがダメなんじゃなくて、前に行ける選択肢があるのに下げるのがダメだって。最短距離でゴールへ向かうことを意識しろってことだと思う。それは僕もそうだと思う」と答えてくれました。

今までのチームではさほど強調されていなかった点でしたが、息子なりに新しいコーチの言うことに納得はしているようでした。息子に消極的なプレーが多いとは思っていませんでしたが、前の所属チームの雰囲気もあり、アグレッシブさが強いほうではない部分はたしかにあったかもしれません。新しいチーム、コーチのもとで、どこまで息子がハングリーさを出して前に進んでいけるのか、これからの成長が楽しみです。

今回息子が加入したチームは、以前所属していたチームよりも練習強度が高く、またチームメイトたちの意識も高いことは、数回の練習を見ただけで感じました。これまでとは異なる環境で、たくさん揉まれて、時には挫折も味わいながら、強くたくましく成長してほしいと思います。

でも何より、今、ここイングランドでしか体験できないサッカーを、思う存分に楽しんでもらうことを母としては望んでいます。イングランドでのラストシーズンが、息子にとって飛躍のシーズンとなりますように!

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