大会前に見える「やる気の差」 本当にモチベーションの問題?
こんにちは。メンタルトレーナーのないとうよしみです。
今回は、なぜチーム内でモチベーションの差が生まれるのか、についてお話ししようと思います。
同じチームで同じ練習をしていても、一人ひとりがサッカーをやる目的は違います。
将来の進路を意識して、「このチームは通過点。その先で活躍するために今頑張っている」という選手もいれば、今この仲間たちとサッカーを楽しみたいと思っている選手もいます。
試合に出たい、自分のプレーを磨きたい、仲間と勝利を喜びたい。目指しているものや大切にしているものは、それぞれ違います。
だからこそ、同じチームの中でもモチベーションや熱量の差が生まれるのは自然なことなのです。
大会前になると温度差が目立つ理由
大会が近づいてくると、その違いがより見えやすくなります。
「絶対にこの大会だけは勝ちたい」と強く思う選手もいれば、「いつも通り頑張ろう」と考えている選手もいます。
また、試合に出られるかどうかが気になっている選手、不安や緊張を抱えている選手もいるでしょう。
指導者から「ここに向かって1年間頑張ってきたんだから絶対勝つぞ」と声がかかったときも、その言葉の受け取り方は人それぞれです。
だからこそ、大会前に「あの子は本気じゃないように見える」「なんでそんなに温度差があるんだろう」と感じる場面が出てくるのだと思います。

モチベーションを揃えるために必要なのは「気合い」ではない
チームビルディングの視点で考えると、モチベーションの差が生まれる大きな要因の一つは、目指す先が明確になっていないことです。
「絶対勝つぞ」と言われても、何をもって勝ちなのか、どんな試合をしたいのかが見えていなければ、一人ひとりの頭の中で描く景色はバラバラになります。
これは待ち合わせに例えるとわかりやすいかもしれません。
「日曜日の10時に北の方の駅に集合ね」と言われても、え、どこの駅? みんなどうやって向かう? と迷ってしまいます。でも、「○○駅の改札前のコンビニ前に10時集合」と言われたら、みんな同じ場所を目指せます。
チームも同じです。
どんな試合をするのか。どんな勝ち方を目指すのか。どこへ向かうのか。
その大きな矢印が明確になることで、一人ひとりの小さな矢印がそこへ向かって重なっていきます。
熱量を無理に揃えるのではなく、方向を揃えることが大切なのです。

熱量が違う仲間にできる関わり方
もし仲の良いチームメイトとの熱量の差を感じたとき、無理に「もっとやる気を出しなよ」と伝える必要はありません。
そんなときは、一緒に未来の話をしてみてください。
「試合で勝ったらこんなパフォーマンスしようよ」
「点を決めたらこうやって喜ぼうよ」
そんな約束をしておくだけでも、試合後のイメージが共有されます。
私はチームサポートでイメージトレーニングを行うとき、勝った後の喜び方を練習することがあります。
すると選手たちは自然と笑顔になり、「その瞬間をこの仲間と一緒に味わいたい」という気持ちが生まれてきます。
ゴール達成後の景色を一緒に描くことは、モチベーションを高める、そして揃える一つの方法なのです。

チームの空気は一人ひとりがつくれる
大会まであと3日。
大会まであと1日。
「いよいよだね」
「ちょっとドキドキしてきたね」
そんな何気ないカウントダウンの言葉も、実はチームの空気をつくっています。
大会を楽しみにしている気持ちや、勝ちたい気持ちは少しずつ周りにも伝わっていきます。
全員がピッタリ同じ熱量になる必要はありません。
でも、同じ方向を向くことはできます。
チームが一丸となるというのは、全員が同じ大きさの気持ちになることではなく、全員が同じ方向を見ること。
その方向が明確になったとき、チームの力は大きくまとまり始めるのだと思います。
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