決めても、外しても。「逃げられないPK」が子どもを強くしてくれる理由
あんなに緊張する場面、人生で他にあるのかな、、、
サッカーの中でどれだけ怖くても逃げられないのが、PKです。
震えるほど緊張していても、たくさんの視線を感じながら静まり返った中、自分でボールを置いて、自分で蹴るしかないなんて、、、
サッカーは、チームで戦うスポーツです。
なのに、最後の最後だけは1人で覚悟を決めてボールの前に立つ。
これで勝負が決まる。
外せばここで終わり。
すごくシンプルで誰にでもわかる、とっても簡単なルール。

そして、一蹴りで終わらないのがキーパーです。
止めればヒーロー、それができなかった場合には特に自分を責めてしまう。
それだけ、キーパーの子たちは責任感を背負って戦っているのが会場中に伝わってきます。
延長戦中に、きっとみんな思っていることは同じで、『どうかPKにだけはならないでー!!』って、選手たちより必死なのはママパパの私たちだったりします。

よくPKのときに見かける光景があります。
自分の子の番になると、まともに直視できなくて手を合わせて、下を向いたり、目を閉じたりする保護者たち。
もう、呼吸するのも忘れて、「お願い‥」って、ただその一瞬が過ぎるのを待つ。
中には、指の隙間からも本当に見ないで、自分が見ないときのほうが上手くいくんだ、なんて話すパパたちもいたりして、、、
お気持ち、すっごくわかります。
見守る親も一緒に抱える、胸の奥まで緊張するあの時間。
それくらい、PKは特別な緊張の中にあります。
大人になれば、嫌なことや苦手なことは避けたり断ったり、うまく逃げることができてしまう。怖いことになんて、最初から近づきもしないかもしれません。
ついつい傷つかない道を探してしまう。良くも悪くもいろんな方法を少しずつ覚えて、自分を守る術を身につけて大人になっていく。

でも、PKには逃げ道はありません。
大勢の視線を浴びながら、みんなの想いを背負いながら、自分の番が来たら、ボールの前に立つしかない。
「絶対に決める」「絶対に止める」
って、呼吸を整えて、最後は自分を信じて勝負する。
ゴールを決めたかどうかではありません。
自分ならできる! と、自分を信じて一歩踏み出したこと。
その経験は、きっとこれから何度も自分を支え、救ってくれると思います。

『あのPKに比べたら』っていう言葉は、心のお守り。これからの人生で辛い苦しいことに立ち向かうときに、『できる』という心の物差しになってくれます。
あれができた自分なら、こんなの全然できる! まだまだ! って、「怖さの基準」を変えてくれます。
そして、母の私も、あなたは大丈夫! と、背中を押してあげられる。
あんなの、お母さんの私にはできません。
焼肉とかお寿司食べさせてあげるとか、アイスもとか言われても無理です。怖すぎてボールを持つ手でさえ震えちゃいます。
もう、あそこに立ってるだけで凄いよ子どもたち。

失敗を恐れずに進むこと、最後まで自分と仲間を信じること。
諦めずに何度だって挑戦する子どもたちの姿から、大人たちは感動をもらって、自分たちも頑張ってみようと勇気をもらっています。
子どもたちは言葉ではなく、その姿そのもので、私たちが忘れていたたくさんのことを思い出させてくれます。ありがとう。
すべての経験はあなたたちにしか持てない宝物です。
お母さんもなるべく目を閉じずに信じて、最後まで諦めないで応援します。
今日もがんばれー、かっこいいよサッカー男子女子!!
