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サッカーをしている親子

サッカー経験者パパのアドバイスが、子どもを苦しくさせる!? そんなとき、ママにできること

こんにちは。メンタルトレーナーの内藤淑美です。

突然ですが、こんな場面心当たりはありませんか?

パパはサッカー経験者。プレーについて的確なアドバイスをしてくれる。言っていることは正しいし、子どものためを思っていることもよくわかる。けれど、その話を聞いている息子はなんだか暗い顔をしている。ママとしては、「間違ってはいないんだけど、なんだか苦しい……」そんな気持ちになる。

私は、この“モヤモヤ”には理由があると思っています。

パパコーチの熱血アドバイス

よくあるのが、試合帰りの車の中です。

「あの場面、なんでもう少し早く動けなかったんだ」
「もっとこうしたほうがよかった」
そんなふうに、パパの振り返りが始まる。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。経験者だからこそ見えていることがありますし、技術的なアドバイスには大きな価値があります。パパも、少しでもうまくなってほしい、活躍してほしいという思いで伝えているはずです。

ただ、ここで大切なのは“内容”だけではなく、“タイミング”です。

試合を終えたばかりの子どもは、体も心もかなり疲れています。緊張の中でプレーし、自分なりに反省もし、うまくいかなかった場面を頭の中で何度も振り返っていることも少なくありません。そんな状態のとき、子どもが受け取っているのは、アドバイスの正しさよりも先に、声の強さや表情、空気感だったりします。

サッカーボールを蹴りながら歩く親子

メンタルの観点から見ても、人は思考より先に感情が動くことがあります。
「怒られている気がする」
「責められているようで苦しい」
そんな感覚が先に立つと、どれだけ正しい言葉でも心に入りにくくなります。

つまり、パパは“改善点”を伝えたい。
でも子どもは、その前に“悔しさ”や“しんどさ”を抱えている。
このズレが、親子のすれ違いを生みやすいのです。

ママにできること

では、こんなときママには何ができるのでしょうか。

私は、ママは「技術のコーチ」にならなくていいと思っています。
ママの役割は、子どもの気持ちの土台をつくること。
言い換えるなら、メンタルのコーチです。

子どもが思いきってプレーできるときには、心のどこかに「大丈夫」「受け止めてもらえる」という安心感があります。その状態を心理的安全性といいます。
逆に、「失敗したら怒られるかも」と感じていると、チャレンジする勇気は小さくなります。サッカーは、思いきって足を出すこと、走り出すこと、挑戦することが成長につながるスポーツです。だからこそ、安心できる環境はとても大切です。

手をつなぐ親子

まずママにしてほしいのは、子どもの感情を受け止めることです。

たとえば、試合後に元気がなさそうだったら、
「悔しかったね」
「しんどかったね」
「あの緊張の中で戦うの、本当にすごいことだと思う!」
その一言で十分です。

アドバイスをする前に、まず気持ちを言葉にして返してあげる。これはメンタルトレーニングや対話の現場でもとても大切にしていることです。
人は、自分の気持ちをわかってもらえたと感じたとき、少しずつ心が落ち着いていきます。感情を言語化することで、頭の中が整理されやすくなるからです。

サッカーをしている子ども

声かけも少し変えてみるといいかもしれません。
「今日どうだった?」と聞くと、子どもは結果や出来事を話そうとします。けれど、試合直後はうまく言葉にならないこともあります。

そんなときは、
「今日はどんな気持ちだった?」
と聞いてみてください。

気持ちをたどる問いかけは、自己理解の練習にもなります。悔しかった、緊張した、怖かった、うれしかった。自分の感情に気づける子は、少しずつ自分の状態を整える力も育っていきます。

橋渡し役が重要

そしてもうひとつ、ママにできる大事なことがあります。
それは、パパと子どもの橋渡し役になることです。

「そんな言い方しなくてもいいのに」と思うこと、ありますよね。でも、その場でパパの言い方を真っ向から否定すると、今度は夫婦の対立になってしまいやすい。パパもまた、一生懸命だからこそ熱くなっているのです。

だからこそ、そんなときはママは“翻訳”してあげる存在になってみてください。

子どもには、
「パパは、うまくなってほしいから一生懸命話してるんだと思うよ」
と伝える。

パパには、
「今日はきっと本人もすごく悔しかったんだと思う」
と、子どもの気持ちを届ける。

この“感情の翻訳”が入るだけで、家庭の空気はずいぶん変わります。人は否定されると防御的になりやすいものです。
でも、自分の気持ちをわかってもらえたと感じると、相手の言葉も受け取りやすくなります。パパの熱血メッセージもせっかくなら届いてほしいですよね。

サッカーをしている家族

家族も、ひとつのチームです。
サッカーにポジションがあるように、家庭の中にも役割があります。

パパは経験をもとに技術を伝える人かもしれない。
ママは安心できる空気をつくる人かもしれない。
(もちろん逆の場合もあるし、こんな私自身はスポ少シングルママです!!)

そして子どもは、こんなふうに大人に支えられながら成長していきます。

大切なのは、パパvs子ども、ママvsパパにならないこと
みんなが見ているゴールは、本当は同じはずです。

「うまくなってほしい」
「楽しく続けてほしい」
「自信を持ってプレーしてほしい」
そんな願いは、きっと家族みんな同じです。

魔法の一言

最後に、おすすめしたい“魔法の一言”があります。

それは、いろいろ話したあとに、
「こんなに一生懸命考えて話してるんだから、みんなレベルアップだね」
と伝えることです。

厳しい言葉も、悔しい気持ちも、真剣に向き合っているからこそ生まれるもの
そこにあたたかい一言が加わるだけで、子どもの中に「自分はひとりじゃない」「この時間にも意味がある」と残っていきます。

サッカーをしている子ども

正しさは、もちろん大切です。
でも、子どもを本当に強くするのは、正しさだけではなく、安心できるあたたかさだと私は思います。

サッカーを通して、子どもが成長していく。
その過程で、家族もまたチームとして育っていく。
そんな時間を、ぜひ大切にしてみてください。

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