明秀日立高校(茨城県)[全国強豪校REPORT 2026]
再び全国へ、リベンジを誓う世代が挑む。
明秀日立高校( 茨城県/私立)
主な
OB
谷口璃成(ギラヴァンツ北九州)/高嶋修也(カマタマーレ讃岐)/ンドカ・チャールス(メルボルン・ビクトリーFC)
KEYWORD01再び全国へ
昨年のインターハイ予選や選手権予選、そして今年のインターハイ予選でともに鹿島学園に敗れた明秀日立。主将・六﨑蓮太が「明秀日立は、茨城で頂点を取らなきゃいけないチームだと思っています。自分のように、2023年のインターハイでの日本一に憧れて入ってきた選手も多い」と語るように、全国制覇を知る先輩たちの背中を追いながら、“もう一度日本一へ”という思いはチーム全体に浸透しているようだ。昨年届かなかった全国の舞台へ──。明秀日立のリベンジが始まる。

六﨑蓮太 (3年/MF)
「主将として、チームを勝たせられる存在になりたいと思っています。高校選抜でのプレーを経て目指すレベルが明確になったので、その経験をチームに還元しながら成長していきたいです」

KEYWORD02主導権
今季の明秀日立が掲げるのは、“攻守で主導権を握るサッカー”だ。これまでは守備のハードワークをベースに相手を追い込むスタイルだったが、今季はさらに攻撃的な姿勢を追求。萬場監督は「自分たちでボールを保持しながら、相手の急所を突いていきたい」と語る。この明秀スタイルの核となるのがチームの“大黒柱”“司令塔”“エース”という存在。「これから誰が台頭するか楽しみですね」と話すように、チームはまだ発展途上。攻守両面で主導権を握るスタイルの完成を目指し、さらなる成長を続けている。

KEYWORD03U-17高校選抜
主将・六﨑蓮太、そしてMF中村直人の二人は、U-17日本高校サッカー選抜として、3月に開催されたJ-VILLAGE CUP U-18に参加。さらに明秀日立からは萬場努監督もコーチとして帯同し、“全国基準”を肌で感じる経験となった。各高校のエースたちが集まり、短期間での適応が求められる環境について、六﨑は「選考合宿では試合に絡めず悔しい経験もした」と振り返る。“自分を表現すること”を意識して臨んだJ-VILLAGECUPでは、U-18日本代表相手にも存在感を発揮。中村も「自分の課題や通用する部分を認識できた」と話すなど、それぞれが全国トップレベルとの差と向き合った。全国の強豪選手たちとの経験を経て得た刺激や基準は、今後のチームづくりにも大きく還元されていきそうだ。

中村直人 (3年/MF)
「U-17高校選抜で、自分の課題や、通用する部分をあらためて認識することができました。ボランチやサイドバックなど複数のポジションでプレーするなかで、どの役割でも違いを出せる、試合を決められる選手になりたいです」
KEYWORD04人間的成長
明秀日立が大切にしているのは、サッカーの技術だけではない。守護神・鈴木千寿は「人としての軸を大事にしている」と話す。監督やコーチ陣も、技術面だけでなく、生活面や人間性について日頃から選手たちへ働きかけているという。食事、睡眠、寮生活――。ピッチ外の積み重ねが、競技力につながる。萬場監督は「24時間どう生活するかが競技力向上につながる時代」と語り、栄養講習などにも積極的に取り組んでいる。“強い選手”である前に、“成長できる人間”であること。そこに、明秀日立の育成哲学がある。

鈴木千寿 (3年/GK)
「人間性を伸ばしながら、サッカーも成長できる環境に進みたいと思い、明秀日立への進学を選びました。失点せずにチームを勝たせる存在になって、選手権で日本一を目指したいです」
KEYWORD05継承
今年から始動した「F.C MEIVAL」は、明秀日立の新たな挑戦だ。U-15チームにあたる同チームの目的は、地域の子どもたちを育成し、茨城県北部地域にサッカー文化を根付かせていくこと。萬場監督は「地域と一緒になって教育していくことが大切」と話す。高校サッカーで積み重ねてきた経験や育成哲学を、次の世代へ──。地域とともに歩みながら、明秀日立は未来へとバトンをつないでいく。

写真/野口岳彦