運を集める!? ゴミ拾いを1年以上続けている11歳のサッカー少年
皆さまこんにちは!
今年もサカママコラムを担当させていただきます、早坂英里と申します。よろしくお願いします。
2021年から続けているコラムも6年目を迎えました。
コラムを始めた当時は小学低学年と保育園児だった我が家のサッカー兄弟は、もうすぐ中学3年生と小学6年生になろうとしています。
サカママ歴も10年が経ちました。
週末に試合が無い日は何をしたら良いのか分からないくらい、サッカー漬けの毎日を過ごしています。
皆さまにお読みいただいているお陰でコラムを続けられていることに感謝しています。ありがとうございます。
今年も2カ月に一度、サカママの皆さまが楽しく読めるようなコラムを書いていきたいと思います。
家に現れた謎のゴミ
半年くらい前の出来事です。
ゴミ袋がいっぱいになったので新しいものに替えようとしていたところ、びっくりするものが目に飛び込んで来ました。
「え!? タバコ!?」
我が家に喫煙者はいません。
一瞬、10年以上禁煙している夫がとうとう解禁した? と思ったのですが、いやまさかそんな。
そして家族の誰も飲まないであろう見覚えのないペットボトルのゴミもありました。
どこかでもらってきたのか? と思い、学校帰りの次男に聞いてみたところ
「あ、それ僕が拾った」
どうやら次男は、朝練帰りや学校帰りに、落ちているゴミを拾って家に持ち帰って捨てていたようです。
そういえば、以前から
「なんだろうこれ? こんなの食べるかな?」というようなゴミがゴミ箱から出て来ていましたが、次男が拾っていたとは全く気づいていませんでした。

次男のゴミ拾いセット
次男がゴミ拾いを始めて1年近く経ったある日、登校前にキッチンでガサゴソしているので「早く学校行かないと遅れるよ!」と言いました。
「ママ、ゴム手袋みたいなの無い?」というので、学校で使うのかな? と思い薄手の使い捨てのゴム手袋を渡しました。
それから毎日、薄手の使い捨てゴム手袋とスーパーのビニール袋をポケットに入れて持って行くので、そんなに使う? と思っていました。
数日経って、担任の先生に別件で連絡をしたところ、「毎日ゴミを拾いながら登校している姿は素晴らしいです」と言っていただきました。
どうやら学校へ向かう道でもゴミを拾っているようでした。
スーパーのビニール袋を持って登校していたのも、ゴム手袋を持って行ったのも、全部ゴミ拾いのためだったのです。
偶然見た“日常の一コマ”
ある日、買い物帰りに偶然その現場を見かけました。
次男がスーパーの袋を持って、街路樹の脇に落ちているゴミを拾っていました。もちろんゴム手袋装着済み!笑
隣では、お友達も一緒になって手伝ってくれていました。しかも楽しそうにおしゃべりしながら、「あ! ここにもあった!」と。
ボランティアというより、日常の延長のような自然さでした。
途中、通りかかったおばあちゃんに「偉いわね」と声をかけられると、「こんにちは!」と笑顔で挨拶していました。

その後ろ姿が可愛くて、思わず写真を撮りました。
親というのは不思議なもので、家では甘えん坊の末っ子で、だらけた姿もたくさん見ているのに、その日の次男は随分しっかりしたお兄さんに見えました。
運を集めているらしい
そもそもどうしてゴミ拾いを続けているのか聞いてみると、次男は真顔で言いました。
「運を集めてる」
サッカーをしている本人なりの理屈で、シュートがバーに当たるか、サイドネットに入るか、その差は日頃の行いだと思ったそうです。
たしかに、スポーツをしていると、“あと少し”の差を何かに結びつけたくなる気持ちは、大人でも分かる気がします。
努力しても届かない数センチ。その差を、ただの偶然で終わらせたくない気持ち。
次男はその答えを、「自分の行動」に見つけたのかもしれません。
運は落ちていないけれど、落ちているゴミなら拾える、それをたくさん集めて運を貯める、そう考えたようです。

親がしていることは一つだけ
次男のゴミ拾いについて、偉いねと褒めますが、過剰に持ち上げることも、毎日やりなさいと言うこともありません。
長男は自転車通学なので、登下校中にゴミを拾うことはなかなか難しいですが、たまたまペットボトルが捨ててあるのを目にしたら、近くのゴミ箱に捨てるくらいのことはしているようです。
次男がゴミ拾いをしているからあなたもやりなさい! などという強制は一切しません。
ゴミ拾いではないですが、先日長男が自販機で飲み物を購入した際、おつりが170円多く出たようで、塾を遅刻してまで交番に届けに行ったそうです。
初めて交番で「拾得物件預り書」を書いたよと嬉しそうに話していました。
当たり前のことを当たり前にできるならそれでいいと思います。
だからゴム手袋だったんだ
ゴミ拾いでサッカーがうまくなる保証はありません。
でも、自分なりに意味を見つけて、それを1年も続けていること。その積み重ね自体が、きっとどこかで力になる気がしています。
袋いっぱいのゴミは、ただのゴミかもしれないし、運かもしれない。でも道はきれいになるし、本人は少し誇らしそうです。それで十分だと思っています。
最近は私も次男を見習って、気付いたらゴミを拾うようにしています。
我が家は都心にあり、人も多く、コンビニのおにぎりを食べながらそのゴミを平気で落としている姿も見かけます。
拾っても拾ってもキリが無いですし、使い捨てマスクなどはウイルス感染の影響もあり素手で触ることに躊躇します。
「なるほど、だからゴム手袋なんだ!!」
と、ゴミ拾いを通じて次男の行動の意図が分かったりもしました。

子どもは大人が思っているよりずっと、自分なりの理屈で世界を見ています。その理屈が正しいかどうかよりも、「自分で考えて動いている」という事実の方が、大切なのかもしれません。
あんなに小さかった長男も次男も、いつの間にか自分で考えて行動できるようになったんだなぁと、子どもの成長の早さを実感し、嬉しいような少し寂しいような気持ちです。
家では「早くお風呂に入りなさい!」「ご飯残さず食べて!」など生活面ではついつい口うるさくしてしまう母ですが、これからはグッと堪えて、成長を見守っていきたいと思います。
…そのうちゴミ拾い用のトングも欲しいと言われたらどうしようかな(笑)