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体を大きくしたいジュニアアスリート必見!睡眠の質を上げる食事のポイント

みなさん、こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。
ジュニアアスリートからよく聞く「体を大きくしたい!」という声。頑張ってたくさん食べてみたり……と取り組む方も多いと思いますが、体を大きくするためには、食事だけではなく休養も大事です。練習で身体を鍛えて、食事と休養でしっかり身体をリカバリーしないといけません。そこで今回は、休養でも特に「睡眠」に焦点をあて、質の良い睡眠を得るための食事のポイントをお伝えしていきたいと思います。

睡眠の質を上げるポイント①良質なタンパク質と脂質を摂る

 

質の良い睡眠には規則正しい生活を送り、体内時計を整える必要があります。一見無関係そうに見える食事と睡眠ですが、体内時計を整えるためには、三食を決まった時間にとるようにするなど食事の面での取り組みも必要なのです。また、この体内時計は成長ホルモン、コルチゾール、メラトニンという3つのホルモンの作用で働いています。このホルモンの原料になるのが、タンパク質と脂質です。これらの量や質を見直していくこともまた良質な睡眠に繋がっていきます

タンパク質は魚や肉、卵、大豆製品などに多く含まれていますから、これらの食材を満遍なく摂るようにしましょう。多いのは肉に偏ってしまっているパターンですが、そうすると余計な油分も摂りがちになってしまうので、注意が必要です。また、脂質は揚げ物やお菓子の油から摂るのではなく、魚やナッツ類、亜麻仁油などに多く入っている質の高い油(オメガ3)を意識して摂っていけると良いですね。

睡眠の質を上げるポイント②食べてすぐに寝ない

 

寝る直前の食事はできるだけ避け、就寝の2~3時間前には夕食を済ませるようにしましょう。胃に多くのものが残っている状態で寝てしまうと、睡眠中に胃腸を休ませることができず、次の日に気持ちよく起きれなかったり、リカバリーが追い付かないという状況にも繋がってしまいます。

ジュニアアスリートはどうしても練習で夜遅い時間の食事になってしまうこともあるかと思うので、その場合は食事を分けて食べることを検討してみてください。例えば、練習前後に軽食を摂り、21時過ぎなど寝る時間に近くなった夕食は軽めに済ませるといった感じです。また、以前のコラムで夜遅い時間の食事のポイントも紹介しているので、こちらも参考にしてもらえればと思います。

夜遅くてもたくさん食べた方がいいの?練習で遅くなった時の食事のポイント

睡眠の質を上げるポイント③欠食をしない

 

そもそもジュニアアスリートは運動量が多くその分エネルギーをたくさん使うので、欠食はしないようにしてほしいのですが、睡眠の質を良くするためにも三食しっかり食べることが大切です。特に朝ご飯は欠食しがちなので注意しましょう

また、冒頭に出てきた「メラトニン」というホルモンですが、これは眠気を誘う働きがあります。メラトニンは「トリプトファン」というアミノ酸を材料にして作られているのですが、すぐにメラトニンが合成されるというわけではなく、トリプトファンからセロトニン、そしてメラトニンと時間をかけて合成されていきます。そのため、夜にメラトニンを合成するためには、朝ごはんでトリプトファン(アミノ酸)を摂るようにする必要があるのです

アミノ酸の原料になるのはタンパク質ですから、先にあげた、魚や肉、卵、大豆製品を朝ごはんでもしっかり摂るようにしてください。さらに、メラトニンの合成を助けるビタミンB6が多く含まれた食材(バナナなど)も一緒に摂れるとより良いかと思います。こうして朝ご飯をしかり食べて生活リズムを作れば、夜の頃にはメラトニンの合成が進み、質の良い睡眠が得られるはずです。

ジュニア期こそ、休養・睡眠・食事に意識を向けよう!

農林水産省が出しているデータによると幼児や中学生、成人を対象とした研究では、睡眠の質が良い人は不眠傾向が少ないことが報告されています。 ジュニア期は特に身体を成長させていくためには大切な時期ですから、この時期に質の良い睡眠を摂れていれば必ずプラスに働くはずです。そして、食事と睡眠は切っても切れない関係があります。良質な睡眠を得てしっかり身体を休ませるためにも、食事にも意識を向けていきましょうね。

WRITER PROFILE

佐藤彩香

管理栄養士
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計1万人を超える人々と関わる。現在はアスリート栄養サポート、専門学校非常勤講師、セミナー講師、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動。

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