不動の前線をカイセドの相棒、神出鬼没の右SBらが支える[4-2-4]で選出!北中米W杯GSベストイレブン
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不動の前線をカイセドの相棒、神出鬼没の右SBらが支える[4-2-4]で選出!北中米W杯GSベストイレブン

48カ国が参戦した北中米W杯グループステージからベストイレブンを選出。全試合視聴中のフットボールコラムニスト、安洋一郎氏が計72戦でのパフォーマンスをふるいにかけて、決勝ラウンドでも要注目の役者たちを[4-2-4]で並べていく。

GK
ボジーニャ(カーボベルデ代表)

Vozinha
40歳|3試合2失点

今大会最大級の台風の目となったのが、初出場のカーボベルデ代表だ。3試合で3分とW杯初勝利こそ達成できていないが、スペイン、ウルグアイ、サウジアラビアと同組のグループHを2位で通過。キュラソー代表に次いで出場48カ国中2番目に国土が小さい島国が、奇跡のラウンド32進出を果たした。

その立役者となったのが、40歳の守護神ボジーニャだ。今大会開幕前までは、ほぼ無名の存在だったが、W杯での活躍をきっかけに一躍世界的な注目を集める選手となってきた。Instagramのフォロワーは、開幕前の約5万人から、約1740万人以上へと急増している(本稿執筆時点)。

グループステージ3戦のうち、初戦のスペイン戦とサウジアラビア戦でクリーンシートを達成。40歳以上でW杯複数試合の無失点を記録したGKとしては、元イングランド代表ピーター・シルトン、元イタリア代表ディノ・ゾフに次ぐ史上3人目となった。

特にスペイン戦でのパフォーマンスは圧巻だった。EURO2024王者を相手に、チームは相手の揺さぶりにも簡単には動じないコンパクトな守備ブロックを構築。27本ものシュートを浴び、フェラン・トーレスやミケル・オヤルサバルらの枠内シュートも次々と襲いかかったが、ボジーニャは7セーブを記録し、スコアレスドローへと導いた。

グループステージ3試合でカーボベルデ代表は一度も勝利を挙げることはできなかったが、一度も敗れることもなかった。その躍進を支えたのが、最後尾に君臨する守護神ボジーニャである。カーボベルデ代表がこれまで出場したすべての主要国際大会を経験してきたベテランは、その豊富な経験と圧倒的な存在感でチームを悲願のラウンド32進出へと導いた。

DF
ダニエル・ムニョス(コロンビア代表)

Daniel Muñoz
30歳|3試合2ゴール0アシスト

2大会ぶりにW杯出場を果たしたコロンビア代表。司令塔ハメス・ロドリゲスを中心に、感情を全面に押し出した情熱的なフットボールで大会を魅了している。

そのアグレッシブなチームスタイルを象徴する選手が、右SBのダニエル・ムニョスだ。彼ほど逆サイドからのクロスに飛び込む「質」と「量」を兼ね備えた選手はいないだろう。

所属するクリスタル・パレスでは[3-4-2-1]の右ウイングバックを務め、プレミアリーグでは2シーズン連続で4ゴールを記録。クラブで磨かれたペナルティエリア内での得点力は、4バックの右SBで起用されているW杯の大舞台でも存分に発揮されている。

初戦のウズベキスタン戦では、左ウイングのルイス・ディアスからのゴールへ向かう鋭いクロスを右足のつま先で合わせる技ありのダイレクトボレーで先制点を奪取。第2戦では、キックオフ直後に左SBホアン・モヒカの鋭いクロスに頭で合わせ、そのこぼれ球を押し込んだが、これはオフサイドの判定となった。

それでも後半、右の大外でフリーになった場面から一気にボックス内へ走り込むと、逆足の左足でニアを射抜くSBらしからぬフィニッシュを披露。2試合連続となる先制弾を決め、攻撃性能の高さをあらためて証明した。

自陣ボックス内で相手FWをマークしていたかと思えば、数秒後には敵陣のボックス内に顔を出す。その「神出鬼没」とも言える動きは相手にとって予測が難しく、コロンビア代表の試合を見る際は、背番号2のポジショニングに注目すると、よりゲームを楽しめるはずだ。

パウ・クバルシ(スペイン代表)

Pau Cubarsí
19歳|3試合0ゴール0アシスト

19歳のスペイン代表DFパウ・クバルシが、自身初のW杯で堂々たるパフォーマンスを披露している。グループステージ3試合で無失点を達成したのは、共催国メキシコ代表とスペイン代表の2チームのみ。“ラ・ロハ”の守備の要である若武者は、攻守両面で圧巻の働きを見せている。

スペイン代表はグループステージ3試合で、48チーム最少となる15本の被シュート数に抑えた。さらにペナルティエリア内で打たれたシュートはわずか4本と、決定的なピンチをほとんど迎えていない。

もちろん、これは同組のカーボベルデ、サウジアラビア、ウルグアイとの力関係も影響している。しかし、相手にカウンターの機会がなかったわけではない。その多くの場面でクバルシが決定的なパスをインターセプトし、優れた読みを生かしたカバーリングでピンチの芽を摘んできた。

データサイト『Opta Analyst』によると、クバルシは3試合で16回のボール奪取を記録。この数字を上回るCBは今大会でわずか3人しかいない。

相手のカウンターの芽を着実に摘むだけでなく、最終ラインからの配球センスも際立っている。全体3位となる289本のパスを成功させ、パス成功率は98.3%を記録。それも近距離でのパス交換だけでなく、相手の守備ブロックの間を通す縦パスや対角線へのフィードなど、中・長距離のボールも織り交ぜながら叩き出した数字だ。

そのプレースタイルは、まさに“最後尾の司令塔”。クバルシのパスを起点に攻撃のスイッチが入る場面も多く、2度目の優勝を目指すスペイン代表には不可欠な存在だ。

マーク・グエイ(イングランド代表)

Marc Guéhi
26歳|3試合0ゴール0アシスト

マーク・グエイは、初戦のクロアチア戦で自身をスタメンから外したイングランド代表の決断が間違いだったことを、自らのパフォーマンスで証明している。

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クロアチア戦では87分から途中出場。第2戦のガーナ戦と第3戦のパナマ戦ではフル出場を果たし、彼が出場した183分間で“スリー・ライオンズ”は失点を喫していない。もちろん相手の実力も少なからず影響しているが、グエイ自身のハイパフォーマンスも、この無失点に大きく寄与していることは間違いない。

先発した2試合では、イングランド代表が敵陣へ押し込みながらも攻めあぐねる展開が続き、何度か相手の狙いであるカウンターを受けた。その中で、グエイとエズリ・コンサによる機動力に優れたCBコンビは、何度も自慢の快足でカウンターを阻止。相手のドリブルコースを先読みしたカバーリングや、ギリギリの局面でのタックルなど、彼らでなければ失点していてもおかしくないピンチを何度も切り抜けた。

両者とも所属クラブではDFリーダーを任されており、互いに声を掛け合いながらラインコントロールをしている。多少カバーが遅れてもリカバリーできる走力があるため、高い位置に最終ラインを設定し、2試合で6度のオフサイドを誘った。

特にグエイのパフォーマンスは、ノーミスに近いと言っていいだろう。地上戦、空中戦ともに1対1で安定感を見せ、『Opta Analyst』によると、デュエル勝率は81.8%を記録。対応が難しい場面では巧みにファウルを誘ってピンチを防ぐなど、その安定感は際立っている。

アントニー・ロビンソン(アメリカ代表)

Antonee Robinson
28歳|2試合0ゴール0アシスト

開幕から2連勝を飾り、早々にグループD首位通過を決めたアメリカ代表の戦術的なキーマンとも言える存在が、左SBのアントニー・ロビンソンだ。

グループステージで相手を圧倒した左肩上がりの可変戦術は、彼の攻守両面での高い能力と豊富な運動量がなければ成立しないだろう。第3戦では完全休養が与えられたため、出場は初戦のパラグアイ戦と第2戦のオーストラリア戦のみ。それでも、この2試合だけで複数の得点に関与している。

パラグアイ戦では左シャドーのクリスティアン・プリシッチ(前半のみで交代し、最終節トルコ戦で復帰)と好連係を披露した。チーム2点目の場面では、ロビンソンが相手最終ラインの背後へ抜け出す背番号10の動きを見逃さず、スルーパスを供給。得点につながる起点となった。

オーストラリア戦の先制点も同様の形だった。今度はフォラリン・バログンの抜け出しにスルーパスを送り、オウンゴールを誘発。さらに2点目も、ロビンソンのFKから生まれている。

こうしたパスの出し手としての貢献に加え、90分間アップダウンを繰り返せる豊富な運動量もチームに大きな恩恵をもたらしている。パラグアイ戦の28分には、プリシッチがボールを持ったタイミングでインナーラップを仕掛けて全力で駆け上がり、相手ウイングを引きつけた。その結果、プリシッチがカットインするスペースが生まれ、ネットを揺らした(結果的にはオフサイド)決定機を演出している。

左CBのティム・リームとの連係はフルアム時代から培われたものであり、ベテランDFの守備範囲の狭さもロビンソンの圧倒的な走力が補っている。攻守両面でチームを支えるロビンソンは、今のアメリカ代表にとって生命線とも言える存在だ。

MF
ペドロ・ビテ(エクアドル代表)

Pedro Vite
24歳|3試合0ゴール1アシスト

エクアドル代表は今大会のダークホースとして期待されながらも、グループステージでは苦戦を強いられた。それでも第3戦のドイツ戦で逆転勝利を収め、劇的な形でラウンド32へと駒を進めている。その立役者となったのが、今大会に限ればモイセス・カイセド以上に中盤で存在感を放つペドロ・ビテである。

メキシコのプーマスに所属する24歳のレフティは、グループステージ3試合を通して中盤で幾度となくボールを奪取。小柄な体格を生かし、相手の懐へ素早く入り込んでボールを回収した。

攻撃センスにも優れ、初戦のコートジボワール戦ではファイナルサードで1タッチのスルーパスを供給。相手CBと右SBの間を突いた鋭いパスでアラン・ミンダのシュートを演出したが、クロスバーに阻まれ得点には至らなかった。それでも、彼のアイディアと技術の高さが際立つ場面だった。

守備時に強度を発揮できる点も大きな魅力だ。決勝ラウンド進出に勝利が必須だったドイツ戦では、敵陣で相手MFからボールを奪取。そのまま味方につなぎ貴重な同点ゴールをアシストすると、さらに2点目の場面では右CKからボックス内へ正確なクロスを供給し、勝ち越し弾の起点ともなった。

ビルドアップ時には低い位置まで下がって組み立てに関与する柔軟性も備えており、その際には相手最終ラインの背後への浮き球のスルーパスや、最前線への鋭い縦パスなど、ピッチのあらゆる位置から攻撃の起点となるキック精度を発揮している。

『Opta Analyst』によると、3試合におけるキーパス数(9本)、タックル数(14回)、デュエル勝利数(20回)はいずれもカイセドを上回りチームトップを記録。今大会終了後には、ビッグクラブによる争奪戦が繰り広げられる可能性が高い。

ジュード・ベリンガム(イングランド代表)

Jude Bellingham
23歳|3試合2ゴール1アシスト

北中米W杯では、イングランド代表MFジュード・ベリンガムの“役者ぶり”が際立っている。

昨年3月に初陣を迎えたトーマス・トゥヘル体制では、2025-26シーズンに負ったハムストリングの負傷の影響もあり出場機会は限定的だった。開幕前までの14試合のうち出場は8試合にとどまり、得点関与も1アシストのみだった。

しかし今大会では状況が一変。先発起用された開幕戦のクロアチア戦から存在感を発揮し、グループステージ3試合で2ゴール1アシストの大活躍。第2節ガーナ戦からは2試合連続でFIFAのPOTM(Player of the Match)にも選出された。

その勝負強さは、一発勝負のW杯という舞台にこそ適していると言えるだろう。ガーナ戦こそ無得点に終わったものの、クロアチア戦では後半開始直後に勝ち越し弾。第3節のパナマ戦では、チームが攻めあぐねる展開の中でCKから得点を挙げ、さらに5分後にはダメ押し弾をアシストした。

イングランド代表ではトップ下として起用されながらも、トゥヘル監督が志向する高強度のフットボールを支えるため、守備面でも大きく貢献している。特にカウンタープレス時のスライディングタックルは毎試合のように見られ、クロアチア戦では自陣ボックス内でのシュートブロック、ガーナ戦ではロングボールに抜け出したアントワーヌ・セメンヨを右SBの代わりに追いかけてそのまま1対1に完勝するなど、献身性の高さも際立った。

攻守両面でチームを牽引し、勝負を決定づけるパフォーマンスはまさに圧巻。トゥヘル監督の下で、6月29日に誕生日を迎えた23歳のポテンシャルが最大限に引き出されていると言えるかもしれない。

FW
リオネル・メッシ(アルゼンチン代表)

Lionel Messi
39歳|3試合6ゴール0アシスト

誰が、アルゼンチン代表の優勝で幕を閉じた前回大会を経て、4年後の今大会もリオネル・メッシの大会になると想像していただろうか。

アルジェリア代表との開幕戦でいきなりハットトリックを達成。代表通算200試合目という節目で、元ドイツ代表FWミロスラフ・クローゼが保持していたW杯最多得点記録(16)に並ぶというメモリアルつきの圧巻の活躍だった。

第2戦のオーストラリア戦ではPKを外しながらも2点を記録。第3戦のヨルダン戦では先発を外れながらも後半から出場し、相手GKが一歩も動けない直接FKを叩き込んだ。

そのパフォーマンスは、今が全盛期と言われても違和感がないほどの完成度を誇る。体のキレ自体も前回大会以上に見え、MLSのインテル・マイアミで積み上げてきたコンディショニングの成果がピッチ上にも反映されていると言えるだろう。

今大会で最もチームとしての流動性が高いのが、アルゼンチン代表だ。高強度のプレスを仕掛ける相手に対しても、細かいパスワークとポジションチェンジで難なくプレスを回避し、ファイナルサードでは「いかにメッシに左足を振らせるか」という明確な設計が存在している。

第3戦は途中出場ながら、グループリーグ全体で2位となる15本のシュートを放った。攻撃の終着点がメッシに集約されていることを象徴する数字と言える。

メッシ自身も緩急の使い分けが抜群で、非保持の状況では歩いているように見える場面もあるが、チャンスと見るや一気に加速してゴール前へ侵入する。その動き出しに相手は対応しきれていない。

史上最多タイとなる6度目のW杯。早くもクローゼの記録を超えたメッシは、その後も偉大な記録を伸ばし続けている。“神の子”あらため“神様”はどこまで記録を伸ばすのか。そしてアルゼンチン代表を2連覇へ導くことができるのだろうか。

キリアン・エムバペ(フランス代表)

Kylian Mbappé
27歳|3試合4ゴール2アシスト

今大会がキリアン・エムバペにとって3度目のW杯となる。ロシアW杯で4発、カタールW杯で8発を記録した怪物は、グループステージ3試合を終えた時点で早くも4発を挙げている。

強烈な個性が並ぶフランス代表は、どこかエムバペが所属するレアル・マドリーと似た構造を持つチームにも見える。ただ明確な違いがあるとすれば、彼を頂点とした攻撃ができている点だろう。

セネガル代表との初戦では、後半からマイケル・オリーセが右サイドからトップ下へとポジションを移したことで、エムバペの動き出しに合わせた正確なラストパスが供給されるようになった。

爆発的な加速力と左右どちらの足でも高い決定力を誇るエムバペは、この試合の66分にボックス内で斜めに抜け出し右足でダイレクトシュートを決めると、試合終盤にはバイタルエリアから強烈なミドルシュートを突き刺した。続くイラク戦では、ペナルティエリア外から左足で一閃。逆足ながら、時速120kmを超える弾丸シュートでネットを揺らしている。

ここまでの3ゴールはいずれもオリーセのアシストによるもの(4点目はウスマン・デンベレのアシスト)。相性の良いパートナーを得たことで、エムバペ本来のフィニッシュの形がより明確になっている。

第3戦のノルウェー戦では、エムバペに一度ボールが収まった後の展開から右サイドを崩し、デンベレが2点を記録。さらに1点を加えた彼のハットトリックが象徴するように開幕戦と比べても、個の強さに加えてユニットとしての連係が向上しており、フランス代表の完成度はエムバペを中心に高まっている印象だ。

グループステージ終了時点で、W杯通算得点数でクローゼに肩を並べたエムバペ。その上に立つのはメッシただ1人であり、この2人がどこまでゴール数を伸ばすのかが今大会最大の注目点の1つとなりそうだ。

アーリング・ハーランド(ノルウェー代表)

Erling Haaland
25歳|2試合4ゴール1アシスト

予選8戦16発の怪物ストライカーが、初出場のW杯でも存分に暴れている。

ノルウェー代表は1998年のフランスW杯を最後に本大会から遠ざかっていたが、エースのアーリング・ハーランドと主将のマルティン・ウーデゴールというタレントを中心に予選を全勝で突破した。

その勢いは本大会でも続いており、最前線に立つハーランドが初戦のイラク戦からいきなり大暴れ。29分にはカウンターの局面で左サイドからのクロスにゴール前へ飛び込み先制点を奪うと、43分には相手GKへのプレッシャーからボールをかっさらい、そのままゴールへ流し込んだ。

セネガル代表との第2戦でも、その破壊力は健在だった。カウンターからの得点と、右足での技ありボレーで2点を記録。そのシュート決定率は40%を叩き出している。

いずれの得点もハーランドならではと言えるものだ。今大会にもメッシ、クリスティアーノ・ロナウド、エムバペといった世界最高峰の点取り屋が出場しているが、彼の場合は“決定力”だけでなく“存在そのもの”が相手に圧力を与えている。

195cm・88kgという圧倒的な体格を持ちながら、時速36km近いスピードで走るストライカーは、現代フットボールの中でも異質な存在と言っていい。そのフィジカル能力に加え、イラク戦の1点目に象徴されるようなゴール前への入り方の鋭さは今大会でも際立っている。なぜ彼が得点を量産できるのか、その本質が凝縮されたシーンだった。

2試合合計でボールタッチは42回と、プレーに関わる機会は決して多くない。それでも4得点を記録している“ゴール前の怪物”が、どこまで記録を伸ばすのか注目される。

ビニシウス・ジュニオール(ブラジル代表)

Vinícius Júnior
26歳|3試合4ゴール1アシスト

2002年の日韓大会以来となるW杯優勝を目指すブラジル代表。第1戦のモロッコ戦は前半こそ苦しんだものの、カルロ・アンチェロッティ監督の修正によって試合を重ねるごとに完成度を高めている。

チームとしての成熟が進む中で、左ウイングのビニシウス・ジュニオールの存在感も日に日に増している。グループステージ3試合すべてでゴールを記録した背番号7は、ベストイレブンに相応しい活躍を見せている。

ブラジル代表はミドルブロックからのカウンターを武器としており、ビニシウスを大外に張らせるのではなく、左ハーフスペース付近に立たせることで、よりゴールへ直線的に向かうプレーを引き出している。

前線からの守備では一定の負担を軽減されている一方で、その分カウンターでは最大の脅威となる。第2戦のハイチ戦では、中盤でボールを奪うとシンプルにビニシウスの裏抜けを使い、何度もゴールへ迫った。

その中でコンディションは非常に良さそうだ。マテウス・クーニャが先制点を決めた場面では、ブルーノ・ギマランイスから鋭い縦パスを受けると、1タッチで股下へ収めて相手に奪う隙を与えず、細かなアウトサイドでのドリブルでシュートコースを作り出して強烈なフィニッシュを放った。

このプレーが象徴するように、複数の相手選手に囲まれても高いシュート精度を維持。12本放ったシュートのうち8本を枠内へ飛ばしており、その精度の高さが際立っている。

もっとも、今大会前までは批判を浴びることも少なくなかった。南米予選では11試合でわずか2得点。アンチェロッティ体制でも3得点にとどまっていた。

それだけに、開幕3戦4発という結果は、その充実ぶりを物語っている。積極的にシュートを狙う姿勢が見られ、ドリブルの切れ味やゴールへの執着心からも、自信に満ちたプレーぶりがうかがえる。“セレソン”の完全復活は彼のパフォーマンスに懸かっている。

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