コラム

2015年10月05日

サッカーノートが教えてくれたこと

ジュニア時代にサッカーノートを記し、プロになった選手は多い。
現在、J リーグで活躍する3選手に、夢を実現するうえでサッカーノートがなぜ役立ったのか、さらに書くときのコツなどもお聞きしました。

取材・文/池田敏明(小林悠)、白井邦彦(小川慶治朗)、編集部(高橋秀人)
写真/山口剛生(小林悠、高橋秀人)、宮原和也(小川慶治朗)

取材・文/池田敏明(小林悠)、
白井邦彦(小川慶治朗)、編集部(高橋秀人)
写真/山口剛生(小林悠、高橋秀人)、宮原和也(小川慶治朗)

プロになってから
よりサッカーノートを綴っている

サッカーノートを書きはじめたのは、トレセンや県選抜に選ばれるようになってからです。でも、定期的に書き続けていたわけではないですね。 今は親とのコミュニケーションの中で練習や試合の振り返りや自分の考えを話せていたら、それでも十分だと思うんです。ただ、中高生になると反抗期もあるだろうし、ゲーム数が多かったり、友人との人間関係があったりで、振り返ることがむずかしくなってくると思うので、その頃になると、よりサッカーノートは役立つと思います。 僕はジュニア時代よりも、プロになってから、よりサッカーノートを書くにようになりましたね。オンとオフの切り替えが下手なのでサッカーノートを書くことで、リセットするようにしてるんです。ただ、必ず書かなきゃいけないと決めているわけではなく、書こうと思ったときに記すようにしています。

ノートを書いているから
過去と今を比較できる

ノートには、今日の良かった点や振り返りを書くときもあるし、1年間の目標の中から振り返るときもあります。今年の抱負を書いたり、できるようになりたいプレーやケガの状態を書いたりもします。読み返すことはあまりないのですが、それでもふと見たときに、過去には、「理不尽だ」「意味のないことだ」「自分にとってプラスではない!」などと記していても、時が経って考えた方が変わると「あれは自分のためになっていたんだ」って気づくことがありますね。ノートを書いているから、過去の気持ちや出来事と今が比較ができるんだと思います。

ノートの書き方は自由でいい

サッカーノートの書き方は自由でいいと思うんです。誰に見せるものでもないから、とにかく自分がわかるように書けばいい。きれいに整理する必要もないと思います。僕の場合、サッカーノートのフォーマットも決まってないし、箇条書きにしたり文章にしたり。そのときに思ったことを、なるべく早く書こうと思うから、大抵なぐり書きですしね。逆に丁寧に書こうとすると、自分が思っていることを忘れて書けなくなってしまう(笑)。


ただ、自由に書く分、親御さんがほんの少しサポートしてあげればいいと思います。口出ししすぎると、子どもが嫌になってしまうから。お子さんの性格も考えて、毎日書いたほうがいいタイプなのか、それとも1ヵ月に1回のペースでいいのかを見てあげたりするのも大事だと思います。


また、サッカーノートには、試合の成績を書いておくのもいいと思います。試合内容を細かく書かなくても、対戦相手と場所、点数を記しておくだけでも、ふとノートを見たときに回想できますからね。

たかはしひでと●1987年10月17日、群馬県出身。伊勢崎SFCイレブンにてサッカーを始める。図南SCジュニアユース時代は日本クラブユースサッカー選手権大会に出場して3位。前橋商業高校、東京学芸大学に進み、2009年夏季ユニバーシアードでは日本代表の主将を務め、銅メダルを獲得。大学卒業後にFC東京に加入。2012年5月に日本代表デビューを果たした。
たかはしひでと●1987年10月17日、群馬県出身。伊勢崎SFCイレブンにてサッカーを始める。図南SCジュニアユース時代は日本クラブユースサッカー選手権大会に出場して3位。前橋商業高校、東京学芸大学に進み、2009年夏季ユニバーシアードでは日本代表の主将を務め、銅メダルを獲得。大学卒業後にFC東京に加入。2012年5月に日本代表デビューを果たした。

小学生で始め、プロになった今も続けている

僕がサッカーノートをつけるようになったのは、小学5年生の頃、当時、所属していた町田JFCの監督に勧められたのがきっかけです。試合の感想や、良かったこと、悪かったこと、練習で気がついたことを自分で書いて提出すれば監督がチェックしてくれたので、つけることが習慣になりました。 内容は、気持ちの部分が多かったと思います。「自分がゴールを決めなかったからチームが負けたんだ」とか、「このままでいいのか。自分のせいで負けたんだから、もっと練習しなきゃだめだ」とか、次にどう改善していけばいいか、といった内容を書いていたと思います。もちろん良かったことは良かったこととして書いていました。僕自身、前向きな性格なので、良い日は自分を褒めまくっていましたし、ゴールを決めたことなども、たくさん書いていました(笑)。


途中でつけるのをやめてしまうチームメートもいましたが、僕は自分のためになると思って続けています。時間が経ってから過去につけたノートを見ると、「この時にこういう失敗をしていたけど、今はしていないな」とか、自分の中で整理することができます。過去のノートを見ることは、自分のためになると思いますね。


サッカーノートはプロになってからもつけています。小学生の頃に比べると頻度は減りましたけど、気づいたことがあれば書きますし、シーズン終了後には絶対に書くようにしています。開幕前にはシーズンの目標を書くようにしています。達成するのはなかなか難しいですけど、書くのと書かないのでは違いますね。これは大学のメンタルトレーナーから教わったことなんですけど、言葉に出して人に言うといいらしいです。たとえば「今年は絶対にハットトリックを決める」と、みんなに言うことで自分を高める。「言ったからにはやらなければいけない」という義務感が生まれるんです。サッカーノートも同じで、目標を書いて「今年、俺はこうなる!」と家族や仲間に宣言すれば、それがはっきりした目標になると思います。

サッカーノートは、当時の自分に戻れる存在

僕にとってサッカーノートは、つけていた当時の自分にいつでも戻れる存在ですね。その時に何を考えていたかは、ノートの日付を追えばすぐに分かりますし、「改善されているな」と思う時もあるし、「また同じミスしてるわ!」って思う時もある。そうやって自分の成長を見ることができますね。 過去のノートを読み返すのは、うまくいっていない時が多い気がします。「あの時、自分はどうやって頑張ったのかな」、「どうやって改善していたのかな」というのを見ることが多いです。僕はけっこうケガが多いんですけど、そんな時に読み返すと「あの時も自分はこうやって頑張ってきたじゃないか」と前向きな気持ちになりますし、振り返ることで、すごくポジティブなエネルギーが返ってくることもあるので、そういう時は「つけていてよかったな」って心から思いますね。


最後に、僕なりの「サッカーノートの続け方」を教えます。それはぼんやりとした目標を書くのではなく、短期、中期、長期と分けた具体的な目標を書くことです。短期だと「1カ月以内に○○ができるようになる」といった目標をはっきり書く。中期だと3カ月後や半年後に達成したい目標、長期だと1年後、3年後などに達成したい目標を書いて、時期が来たらクリアできたかどうか、できなかった場合はクリアするために何をすればいいか、具体的に書いていくんです。「僕はプロになる」といった抽象的な目標ではなく、プロになるためにはどうすればいいか。小学生で、たとえば試合に出ていない選手だったら、試合に出るためにはどうすればいいか、ということを、目標から逆算して書いたほうが絶対に良いですね。抽象的な目標を書いても、何をすればいいのか分からなくなります。目標達成のためにどういった努力をすればいいのか詳しく書くことが、長く続けられるコツだと思います。

こばやしゆう●1987年9月23日生まれ、東京都町田市出身。幼稚園の頃に町田JFCでサッカーを始め、麻布大学附属淵野辺高校、拓殖大学を経て2010年に川崎フロンターレに加入。局面の打開からゴールゲットまであらゆるタスクをこなす前線のマルチプレーヤーとして活躍している。2014年10月には日本代表デビューも果たした。
こばやしゆう●1987年9月23日生まれ、東京都町田市出身。幼稚園の頃に町田JFCでサッカーを始め、麻布大学附属淵野辺高校、拓殖大学を経て2010年に川崎フロンターレに加入。局面の打開からゴールゲットまであらゆるタスクをこなす前線のマルチプレーヤーとして活躍している。2014年10月には日本代表デビューも果たした。

約8年書き続けたが、字は汚いままだった

僕は物心が付いた時にはもうボールを蹴っていたので、いつからサッカーをはじめたのかが分かりません。両親の話では2歳上の兄がサッカーを始めた影響で僕もボールを蹴り始めたので、3歳か4歳の頃だそうです。幼稚園で同い年の友だちにGKをやってもらってシュートしていた記憶はあります。


本格的に始めたのは年長から。保護者のお父さんコーチが教えてくれる三田市のウッディSCというクラブチームに入りました。コンセプトは「勝ちにこだわるのではなく、仲良く楽しくサッカーをやる」でした。同年代の部員は30人以上いたと思います。小学6年まで所属していましたが、このクラブでサッカーノートを付けるように言われたことはありません。ノートを付けはじめたのは小学5年の時ですね。兵庫県のトレセンに選ばれたことがきっかけでした。


県トレの初練習でコーチから「ノート持って来たか? 筆記用具は?」と言われました。周りの選手はノートをしっかり持ってきている子もいましたが、僕は「サッカーノートって何?」って感じでした(笑)。


最初は何を書けばいいのか分かりませんでした。だから、とりあえず練習を振り返り、できたこと、できなかったことをまとめ、最後に次の練習で自分がやらないといけないことを書いていました。自分の課題を書くことで、足りないものが明確になるので、次の練習のモチベーションを維持するのに役立ちました。書いている途中で練習がやりたくて仕方がなくなっていましたくらいでしたから(笑)。でも、いつまでも字は汚かったですね。それでも負けず嫌いだから、ノートの見せ方や文章にこだわった記憶があります。高校3年までサッカーノートを付けていましたが、字は汚いままでしたけれど(笑)

書き続けることでプロで必要な継続性を学ぶ

サッカーノートを続けるコツは、アドバイスになっていないかもですが、とにかく書き続けること。僕の場合、県トレでも年代別の日本代表でも、指導者の方に「書け」と言われて書いていた感じですが(笑)。でも、続けていたらいつの間にか習慣になっていました。ヴィッセル神戸U-18の時は、学校と練習場の往復や、テスト勉強もあって時間がなかったので、帰りの電車の中で書いていました。着替えやシューズでパンパンに膨れ上がったエナメルバックを机の代わりにして1日1ページ。練習内容の箇条書きだけではなく、図を描くこともありました。特に図は、自分が課題にしていたことを描きました。ボールの動き、相手の動き、ポジショニング、そして課題の3人目の動きとかを直線、波線、点線などを駆使して。でも、最後までヘタクソでしたね(笑)。


どんな内容をノートに記していたかはあまり覚えていませんが、ノートを書き続けることで何かを継続してやることは重要だと学びました。その経験があったからこそ、プロになってからも練習でも試合でも一切手を抜かずにやり切るという姿勢につながっていると思います。また、サッカーとは直接関係はないですが、文章を書くことで自己表現力が身に付いたとも思っています。


僕の場合、みなさんにノートをどのように書けばいいかといったアドバイスはできませんけれど、ヴィッセル神戸U-18の頃に監督からよく言われていたのは『字は汚くてもいいので丁寧に書きなさい』という言葉です。意図としては、丁寧に書くことで自分と向き合い、心を整えなさいということだと思います。だから、サッカーノートの中身も大切ですが、まず丁寧に書き続けることが重要だと思います。その行為が自分を成長させてくれたと思っています。

おがわけいじろう●1992年7月14日生まれ、兵庫県三田市出身。ウッディSC、ヴィッセル神戸のアカデミーを経て2011年にトップチームへ。2010年3月27日の横浜F・マリノス戦では当時のクラブ最年少出場記録(17歳5カ月13日)も樹立。各年代の日本代表にも選ばれ、2009 FIFAU-17ワールドカップでも活躍。2012年から神戸のエースナンバー「13」を背負う。
おがわけいじろう●1992年7月14日生まれ、兵庫県三田市出身。ウッディSC、ヴィッセル神戸のアカデミーを経て2011年にトップチームへ。2010年3月27日の横浜F・マリノス戦では当時のクラブ最年少出場記録(17歳5カ月13日)も樹立。各年代の日本代表にも選ばれ、2009 FIFAU-17ワールドカップでも活躍。2012年から神戸のエースナンバー「13」を背負う。

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