コラム

2018年01月26日

指導者の言霊。「加藤久 ヴィクサーレ沖縄FC理事長」

取材/編集部

心を込めてサッカーをする習慣を
身につけさせることが大事

ジュニア時代はゴールデンエイジと言われ、スキルを高める時期ではあります。ただ、もう一方で心の教育をしっかりと行い、物事に対する取り組む姿勢などをしっかりとつくっていく時期でもあると思うのです。今の子どもたちを見ていると、サッカーをしながら注意散漫になっていたり、指導者の話に目を向けて聞きながらも、別のことを考えていたりと、心ここに在らずの状態になっている子が多いように感じます。そうすると、たとえ器用な選手になったとしても、芯のある選手には育たないのです。小学生には、サッカーをする時はサッカーに集中する、心を込めてサッカーに向き合う、そういう習慣が身につくような指導をまずはすべきだと思います。私がいつも子どもたちに伝えているのは「自分の体のある場所に心をおきなさい」ということ。心と体が一致していないと、物事は上手くいきません。それを子どもたち自身が感じた時に、いかに集中して取り組むことが大切なのかを繰り返し説いていけば、子どもたちも理解できるようになると思っています。

選手や親御さんは、どうしても効率よく上手くなる方法を探している傾向があるように感じます。でも、シンプルな反復練習を続けない限りサッカーは決して上手くはならないのです。地道なことの繰り返しは、子どもたちに忍耐力や我慢することが要求されます。でも、それこそが価値があり、大切だということを指導者は子どもたちに伝える必要があるのではないでしょうか。中高生になると自己主張がでてきたりしますが、小学生はまだまだ純粋。だからこそ、楽しい、おもしろい練習だけではなく、非効率なこと、合理的じゃない練習も取り入れていくと、心の強さも身についていくと思うのです。

今、指導者はライセンス制度が進み、いろいろな研修で学ぶ機会もあることから、練習メニューや指導の材料を山ほど持っている方も多いのではないでしょうか。それゆえ、選手に1から10まで指摘することがあった場合、すべてを言いたくなると思います。けれど、指摘したいことは半分程度にとどめ、見てみ ぬふりをすることも必要です。最後の部分は選手自身に考えさせ、工夫させないと、伸びてはいかないのです。また、研修で学んだ練習などを取り入れたいと思った時、はたしてそれが本当に必要なのかを一度考えてみてください。選手にとって必要なことはその都度変わってきます。みたものをそのまま取り入れるのではなく、その選手に大切な練習を行ってほしいと思います。選手を無理に型にはめようとするのではなく、個性をみながら、その選手が最終的にどういう人生を歩みたいのかを主張してきた時に助けてあげることこそが、指導者にとって一番の役割ではないでしょうか。

予測できないことが起こるのがサッカー
だからこそ心が鍛えられる

子どもたちにとって大事なのは、人(指導者)が上手くしてくれるのではなく、自分で上手くなるということを理解し、自分自身で工夫する習慣を身につけることです。プロ選手でもそうですが、上手くなる選手というのは、チームでトレーニングをしていても、他に必ず自分の特徴をつくるための練習もしています。自分の価値をつくるのは自分でしかありません。それを誰かがやってくれるという感覚があるうちは、なかなか成長していかないのです。

サッカーをしていると、試合のメンバーに選ばれなかったり、先発で出場したのに5分で代えられてしまったりなど、日々いろいろなことが起こります。そこから何を学んで、自分の心をどう作っていくかが大事なのです。凹むことがあった時には、落ちこんだり、悲しんだり、頭にきたり、一瞬はネガティブな心になってもいいと思います。けれど、いつまでもそのままでいるのではなく、前向きな心に切り替えていくこと。サッカーには心が鍛えられる訓練の場が与えられていると思って、自分の心を積極的にプラスにもっていくことが何よりも大切です。

かとうひさし

PROFILE● 1956年、宮城県生まれ。日本代表選手としては82年第9回アジア大会出場、84年から87年までは日本代表主将を務め、第10回アジ ア大会、ロス五輪・メキシコワールドカップ予選大会などに出場。読売サッカークラブ、ヴェルディ川崎、清水エスパルスなどでプレーし、94年に引退後はJリーグチームの監督やGM、サッカー解説者などを務める。05年よりNPO法人ヴィクサーレスポーツクラブの理事長に就任。

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