コラム

2017年07月14日

指導者の言霊。「風間八宏 名古屋グランパス監督」

取材/編集部 写真/佐藤彰洋

子どもの発想を大切にし個人に対してアプローチすること

小学生年代を指導するうえで大切にしてほしいのは、子どもたちが楽しみをみつけるための邪魔をしないことです。それは、子どもたちにとって、サッカーを楽しめることが最大の武器になるからです。だからこそ、指導者は子どもの発想を大事にし、一人ひとりをみてあげることが重要。体が動かないのに無理してやらせたり、やりたいことがあるのにさせなかったりすると、子どもはやる気を失ってしまいます。子どもたちは自主的にやれば、楽しいに決まっている。この時代、難しい面もあるかもしれませんが、自由にサッカ ーに取り組める環境を作ってあげてほしいと思います。その中で、子どもたちはサッカーの楽しさに気づき、上手くなっていくのです。

上手い選手は人の何十倍も、何百倍もボールに触れています。そのため、育成年代ではボールをどれだけ足で触ったかが大事。足でボールを触れば触っただけ、子どもたちの自信になり、コントロールや感覚が足の中に埋め込まれていくのです。指導者は、種目にこだわるのではなく、子どもたちがボールにたくさん触れることができるトレーニングを行ってほしいと思います。とりわけ、子どもたちが関心を持って自分で取り組むようなトレーニングをさせてあげれば、飽きずに回数をこなせるものです。その中で、選手一人ひとりに対してアプローチしていけばより上達につながっていくのです。

試合になると、指導者はどうしても勝たなければいけないと責任を感じるでしょう。確かに、子どもたちにとって試合に負けるよりも勝ったほうが楽しいですし、勝つことでチ ームが一つになる場合もあります。けれど、負けた試合が記憶に残ることだってあるし、役に立つこともあるのです。すべての試合が体の中に残っていき、それらがいいカタチで積み重なっていけば子どもたちの力になっていくということです。

忘れてはいけないのは、「やるのは指導者ではない」ということ。選手が楽しく試合をするためにはどうしたらいいのかをしっかり考えることが大切です。主役はあくまでも選手。指導者自身が満足するのではなく、選手が気持ちよく、生き生きプレーできるように指導してあげてほしいと思います。

サッカーをしている子どもに感謝し肩の力を抜いてサポートを

子どもがサッカーをする上で親の手は必要です。今は情報過多な時代ですので、保護者の方もいろいろな知識を持っているでしょう。でも、親が口を出しすぎたり、やらせてしま ってはいけないのです。子どもがお母さんにいいところを見せるために頑張るのはいいけれど、お母さんに怒られるからやるのは違います。「僕のいいところをみせてやる」と親の前でも言える子は、両親が愛情を持って子どもをみれているだろうし、子どもに言い過ぎることはしてないはずです。時には、親も子どもの気持ちになって自分だったらどうするかを考えることが大切です。そうすれば、必要以上のことは口にしないでしょう。

親にとって子どもの試合は、ハラハラするし、ドキドキもする。いい思いばかりじゃないし、大変な思いもするけれど、それでも自分の子どもの試合は何よりも楽しいものです。にもかかわらず、サポートに力が入りすぎてしまうと、その楽しさをどうしても忘れてしまいます。いつも怒っていたら、子どもは怒られることに慣れてしまうだけです。保護者の方は、サッカーをやっているからこそ楽しい週末を与えてくれる子どもに感謝して、少し肩の力を抜いて見守ればいいと思います。その中で、子どもが失敗したり落ち込んでいる時には、その子に響く一言をかけてあげればいいのです。親は自分の子どものことを一番わかっているのですから、きっとその一言がわかるはずです。

子どもたちには、どんな状況でも楽しもうとする努力をしてほしい。そうすれば、サッカーが上達し、今の自分よりも必ず成長できます。そして、その考え方が将来、役に立っていくのです。

風間八宏

PROFILE● 1961年10月16日生まれ、静岡県出身。筑波大学在学中に日本代表に選出、卒業後、ドイツで5年間プレー。帰国後マツダSCに入部し、1992年からはサンフレッチェ広島でプレー。現役引退後、桐蔭横浜大学サッカー部監督、筑波大学蹴球部監督を歴任。2012~2016年は川崎フロンターレの指揮を執り、2017年、名古屋グランパス監督に就任。

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