コラム

2017年04月18日

指導者の言霊。「小野貴裕 関東第一高校サッカー部監督」

取材・写真/編集部

サッカーという競技の本質を知ることが重要

ジュニア年代に望むこと、それは純粋にサッカーを楽しむことです。ボールを触ることを中心に考えながら、毎日ヘトヘトになるまでボールを追いかけていることが、この年代のあるべき姿ではないでしょうか。何の効率がよくて悪いのかは成長していくと自然に精査されていきますが、この年代は純粋に好きだからやっている。逆にサッカーへの情熱がなくなっていくと、中学、高校で新たにその気持ちがわくようにするのは非常に難しい作業です。サッカーの技術を伸ばすことはできますが、その人間の持っているエネルギーを新たに構築することは困難ですからね。保護者の方は、この楽しい純粋な気持ちの重要性を理解することが、まず必要なのかと思います。

またジュニア育成の議論として、「楽しむこと」「勝負に徹すること」のどちらかを問う傾向があると思います。でも、そもそもサッカーというものは勝ち負けも絶対あるし、頑張ったからといって絶対に結果が出るものではありません。それがこの競技の本質なのだと思います。サッカーが好きだから何をやってもいいというわけではなく、結果だけを追い求めるのも違う。分けて議論することではなく、割合の問題なのだと思います。順番、タイミングがあって、そのときにどちらをやった方がいいかはチームの事情によって異なります。全部やるのがサッカー。だから、その本質から外れてはいけないと思います。

保護者はサッカーには明確な答えがないと理解すべき

保護者の方は自分の子どもが試合に出られなくなると「ここがダメだ」と否定してしまうことがあると思います。しかし、その子のカタチが変わったのなら、支える側のカタチも変える必要があるのではないでしょうか?

子どもはサッカーの本質のなかで生きています。体、メンタルを鍛え、トレーニングをして、勝ち負けがある試合で頑張っているわけです。だから、この年代の子どもに浮き沈みがあるのは当然のこと。親が見たいのは試合に出ている子どものカタチなのかもしれません。でも、それが見られないから頭ごなしにダメといったら子どもはどうすればいいのでしょうか?この年代で試合に出られなくても、上の年代で活躍する子はたくさんいます。だから、水をやり続けてあげること、こぼれちゃったものを拭いてあげることが重要なんです。好きという気持ちが抜けると、もう子どもはサッカーには戻らないと思います。サッカーはバランスの競技ですから、やりながら修正していくしかありません。サッカーには明確な答えがないと理解して、子どもに接してあげる必要があると思います。

指導者として、人間性とサッカーは切り離せないもの

僕は15歳以下のサッカー指導者の方と話をする機会が多くあります。皆さんはクラブチームの運営であったり、保護者の対応であ ったり、試合の勝敗であったり、本当にいろんなことを網羅しています。このジュニア、ジュニアユース年代の指導者が日本のサッカーを支えていると思うし、この年代のクオリティが高いから、我々はやっていけているのだと思います。だから、僕が小学生や中学生の指導者に対して何か言うのもおこがましいのですが、あえて言うならばサッカー観だけでなく人生観も伝えてほしいと思います。サ ッカー観を表現するとき、必ず人間というフ ィルターを通すことになります。僕は指導者というものは、その人の持っている情熱、人間性がサッカーを通して色濃く表現されるものと思っています。人間性とサッカー、その二つは切り離せないと思いますし、僕は自分の人間性を表現できるのがサッカーとも思っています。我々は子どもたちの将来を抱えているわけですから、その責任があります。そのためにも知識はつけなくてはいけないし、情熱も持っていなくてはいけない。子どもたちに対して人間性の部分にも関わってアプローチしてほしいし、僕はそう意識して日々の指導にあたっています。

小野貴裕

PROFILE● 1980年 6月12日生まれ、神奈川県出身。日本大学高校、日本大学サッカー部を経て、2010年より関東一高サッカー部の監督へ就任し、2015年にはインターハイベスト4の結果を残す。そして2016年、創部35年目にして同校を全国高校サッカー選手権大会初出場へと導く。

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