コラム

2017年01月05日

指導者の言霊。 「朝岡隆蔵 市立船橋高校サッカー部監督」

取材・写真/池田敏明

ジュニア年代の3年後は全く予測がつかない!

僕がジュニア年代の子どもたちに望むことは、単純にサッカーを好きになってもらいたい。それだけです。練習に行って仲間に会えるのが楽しければそれでいいと思っています。サッカーの技術や能力は、その中で勝手に身に着いていくものではないでしょうか。

名のある大会に出て勝ちたいと思っているのは、指導者や保護者など大人ばかりですよね? 最近は保護者の方々が熱心になりすぎて、指導者の方が困っているという話を聞きます。本来、理想とする指導方針があるのに、親御さんの意向も聞いて、それに対応していかなければならない。強いチームでプレーしたがるお子さんもいる。そうしたい子は強いチームに行けばいいと思いますし、選抜に入るような子はそれなりのチームに行けばいいんだと思います。なぜなら3年後、逆転する可能性もあるからです。今、選抜に入っていなくても、才能のある子は友達と人間関係を築きながらプレーしていけば、どこかで勝負のスイッチが入るものなんです。高校生の場合、1年生として入ってきた子が3年生の時までにどのように成長するかはある程度、予測がつくんですが、それでも当たるのは8割ぐらいで、2割は外れてしまいます。だからこそ、ジュニア年代になると、3年後にどうなるかなんて全く分からないんです。将来性を感じさせる子がいたとして、未来を予測して、そのとおりになるのは1割、2割ぐらいじゃないですか。挫折していく子、思ったより伸びない子も多いですし、意外な子が伸びるケースもたくさんあります。だからジュニア年代の場合は、サッカーを続けさせることが一番の目的で、続けられる環境をどう作っていくかを重視すべきだと思っています。

楽しく続けられるようチームコンセプトを明確に

クラブやチームにはそれぞれ目指すべきところがあるはずなので、運営する立場の方々は、自分たちのチームがどのような方向を目指しているのか、コンセプトを明確に打ち出す必要があると思います。市立船橋高校サッカー部に入ってくる子は、我々が目指すべきものを理解し、それなりのレベルを備えた子ばかりなんですが、それでも能力や意欲、メンタルの部分などに差があります。だから、ジュニア年代の個々の差は高校年代とは比べ物にならないほど大きいと思います。技量、モチベーション、勝利への欲求、楽しみたい気持ち。そこそこ好きな子、大好きな子と、幅がいろいろあります。だからこそ各チームがコンセプトを明確に表して、子どもたちが選べるようにしなければならないと思います。そして、個別指導は絶対に必要です。幅が大 きすぎるので、一斉指導だけではどうしても限界があります。一人ひとりに手をかけられるようにする必要がありますし、指導者は自分の考えを押しつけるだけでなく、いろいろな引き出しを持ちながら対応しなければなりません。

スパルタの方針を打ち立て、親も我が子を鍛えてほしいと願ってそのクラブに入れるケースもあると思います。それはそれでいいでしょう。ただ、それを望んでいない子がそのクラブに入ってしまうと、保護者も選手も苦しんでしまいますよね。それでいて、日本には「辞めたらいけない」という文化があります。各チームのコンセプトを見比べながら選べる環境が必要ですし、合わなかったら辞めて他のチームを探せばいいんです。サッカーを続けられる環境を作ってあげることが、クラブ運営者や指導者には必要なことだと思っています。

もちろん仲間を大事にすること、サッカーの楽しさを味わうことは、ジュニア年代では外せない要素です。勝つことで楽しくなる、という考えもあると思いますが、アプローチの仕方が重要です。メンバーを固定して戦術的にやって、果たして勝つことの楽しさを味わえるかどうか。仲間と一緒にやって、みんなで一丸になって勝った時の喜びのほうが、チームとしても個人としても大きいんじゃないかな、と思います。

朝岡隆蔵

PROFILE● 1976年6月21日生まれ、千葉県千葉市出身。市立船橋高校サッカー部ではMFとして活躍し、 94年度の第73回全国高等学校サッカー選手権大会で同校の初優勝を経験。07 年にはサッカー部コーチとして母校に戻 り、11年4月に監督に就任。同年度の第90回大会で監督として初優勝を飾り、 選手、監督として選手権制覇を経験した史上初の人物となった。16年度はインターハイ優勝、選手権千葉県予選も制して冬の選手権出場。

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